星に願いを

 私には幼少期から好きな食べ物がある。それは、金平糖。祖母がよく口の中で転がしていて、私は祖母によくせがんだ。「おばあちゃんお星様頂戴」と。

 大人になり、社会の邪悪さに理不尽さに心が折られていった。休みの日もリフレッシュなどできず、精神はすり減っていった。ふと、子供の頃の思い出が頭を過る。

 スーパーのお菓子コーナーに行き、色とりどりのお星様が入った袋を手に取る。会計を済ませ、店を出る。煙草に火をつける。雲一つない綺麗な星空に、紫煙が浮かび上がっていく。袋を開け、金平糖を星と重なるように掲げる。


「私はおばあちゃんが望んだ孫になれたかな? 今からでも間に合うかな? 私頑張るから見ててね」

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