ポヨイちゃん

あんこスペクタクル

第1話 ポヨイちゃん

 だだだだだだだだだ!!!


 たくさんのひとびとが走っているよ!

 一体どこに向かっているんだろう?

 あれ? ひとびとの後ろから、なにかが!


「人骨ラーメンをつくるぞうひゃひゃ」

「ひとガラでスープをとってくれるうぴゃぴゃ」


「うわー屠殺されるよーたすけてー」


 たいへんだ!

 ひとびとを追っているのは、にんげん料理同好会会員一行だ!


「つーかまーえた♡」

「きゃああああ!」


 おんなの子がつかまっちゃった! 屠殺される! だれか! だれか!!!


「まてーーーーー」

「なんだ!?」

「ぽよぽよ~ポヨイ!」


 きたー! スーパーヒーローポヨイちゃん!


「にんげんのガラをスープにするなんて、あほとネクロフィリアとバカ舌のすること! おまえたちをやっつけてやる」

「なにを!? おまえでチャーシューをつくってやるぞ!」

「はあ? わたしはぽよぽよしてるからってチャーシューってか?」

「そうだよ」

「そうか……」


 ショックをうけているポヨイちゃん。


「用がないならさっさといけ! こいつを解体する」

「いやあああ解体しないでー」

「あ! やめてあげてー!」


 ポヨイちゃんはそのへんに落ちていた石をなげつけた!


「いてえいてえ! やめろ!」

「このやろこのやろー!」

「おこったぞ! おらああああ!」


 同好会の会員の一人が後ろからポヨイちゃんのくびをつかんだ!

 ぎゅうぎゅうにしめあげられる!


「くるしー! 鬱血するー!」

「ふははは! 頸動脈を塞いでやったぞ!」

「やめろってこらまじで」


 ポヨイちゃんは気絶した。


「よえーな」

「よしこのおんなの子を捌こう」

「しにたくないよう」

「まずは血抜きをする」


 おんなの子の首にナイフが当てられてたその時!

 おんなの子の首が鉛でコーティングされた!!!


「き、切れない!」

「ちょ、ちょっとくるしいけど助かった」

「ええい、動脈ならどこでも良い!切れ!」

 

 おんなの子の体全体が鉛でコーティングされた!


「く! 刃が立たねえ!」

「くるしい」

「こいつのせいだな! このポヨイとかいうおんなをやっつけろ!」

「あ、あれ!? どこにいる!?」


 ポヨイちゃんは上空にいた!


「ポヨポヨレイン!」

「ぬわあああああああ!!!」


 極めて酸性度の高い雨が降り、同好会会員達は生きながらに溶かされて、死んだ。

 ポヨイちゃんはおんなの子を安全なところに移し、アルカリ性の雨を降らせ、中和させ、元通りにした。

 そして、彼女の鉛コーティングを外し、人工呼吸をした!


「ふああ! はあ、はあ……」

「よかった! 気がついたんだね」

「助かったんですか」

「まあね。今のところはね。また奴らに襲われたときわたしがいなかったら死ぬから、これをもっておきなさい」


 ポヨイちゃんは彼女に花柄のかわいいスタンガンを渡し、去っていった。


「はあはあ、助かってよかった」

「こずえー!」

「あ、おかあさん!」

 

 親子は抱き合い、生還を喜びあった……。



 今、ポヨイちゃんは家でピザを食べながらコーラを飲んでるよ。


「今日も人助けができてよかった~」

「ふああ、明日はラーメン食べよう」


 ポヨイちゃんはベッドに転がって、すやすやと寝息をたて始めた……。


 



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