第7話

同日/渋谷


山梨レゲエ祭が明けて、PAPA-RATはクラブにいた。


道玄坂@PAPER MOON

TOYが留置されている道玄坂警察署から歩いて5分の所にあるCLUBだ。



昨日のレゲエ祭は、最初こそざわめきがあったものの、繰り上げでトップバッターとなった西の筆頭、Mr.OUTの


「なんや若いマシーンがポンコツになってもーたらしいけれども、おまえ等のVIBESはイカれてへんよなぁ?仮にイカれてんのやったらワシのVIBESで治したるわ〜…」


の声で一気に空気が変わり、見事大成功に終わった。


レゲエ祭が終わった後、PAPA-RATがTOY が来れなかった理由を正直に話した所、誰もが納得し、何も言えなかった。それはそうだ。殆どのARTISTが明日は我が身なのだから。


「奴は本当にこの山梨レゲエ祭を、一番楽しみに、そして大切にしていた人間だ。今後奴がどうなるかは分からないが、どうか皆サポートしてやって欲しい。


…どうか…お願いします」


最後にこう言って普段冷静なPAPA-RATが土下座をした時は、半数以上のartistが涙を隠す様に俯いていた。


そして1人、また1人と今後TOY MACHINEという若手DEE JAYをサポートしていこうと深く心に刻んだのである。




今日PAPA-RATが@PAPER MOONに来ているのは昨日のレゲエ祭の後夜祭の為だ。

SOUNDMANが持つマイクの煽りを受け、昨日のチケットを取れなかった客を含む500人以上の人間は、一つになってREGGAE MUSICに酔いしれていた。



盛り上がりのピークの時間も過ぎ、徐々にゆったりとした曲が流れ始めた時、今日PLAYする予定の無かったPAPA-RATが急にSTAGEに立った。



「昨日は皆お疲れ!皆のお陰で大成功に終わった。1人1人にマジででっかい感謝だ。んで…皆に一つだけお知らせがあるんだ…」



…その時、TOYに会えずに途方に暮れていたメグが丁度@PAPER MOONへ着いた。

「…実は昨日出演予定だったTOY MACHINEは草で捕まっちまったんだ。…本当に馬鹿でどうしょうも無い奴だけど、あいつは本当に、…本当にREGGAEを愛し、REGGAEに対して真剣なんだ。俺達は今後奴を全面的にサポートしていく!だから皆も奴の事を忘れないでくれ…」








そう言ってRATは静かにレコードに針を落とした

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