第64話クライマックスシリーズ

ゆうは、野球ゲームのクライマックスシリーズで下剋上に遭い、日本一を逃した。


「へこむ~。へこむ~。」


「ゆう君さ、赤点ギリギリだった成績にへこみなよ。」


渚はいつも沈着冷静だ。


「野球大嫌いなお前には分からないよ。へこむ~。」


「まぁさ、テストも終わったし、映画でも観に行こうよ。」


「サンキュー‥。」


「気分転換になるでしょう。」


「ホラー映画が良いな。」


と虫の息のゆうは呟いた。


「じゃあ、そうしよう。」


駅前の映画館に放課後、観に行った。


「あれ?ヒロインお前じゃん。」


と渚を見てゆうは言った。


「芸能界復帰したよ。」


「そうなんだ‥。」


映画の内容は、覚えていない。

ゆうは、ほとんど寝ていた。


「どうだった?」


「寝てたらへこむ気持ちは無くなった。」


「ほとんどゆう君寝てたよね?」


「ああ、寝てたよ。」


「復帰作ぐらいまともに観てよ。」


「すまん。」


その夜、来シーズンの野球ゲームをゆうは始めた。


リベンジを誓った。


渚は、ゆうのベッドで熟睡している。



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