第44話遠足2

「ゆう君!ゆう君!」


「何だよ?人の睡眠邪魔するなよ!」


「だって!こんなに山が近いんだよ!」


バスの中で渚はテンションが高かった。


「山ぐらいで興奮するなよ。」


「わたし、山も海も川も大好きなの。」


確かに都内に住んでる渚やゆう達には自然が貴重である。


コンクリートジャングルで育ったゆう達は山や海、川に接するより先に電車の乗り方から学習する。


「ゆう君!ゆう君!富士山だよ!」


渚の嬉々とした言葉にのせられバスの外を見た。


壮大な富士山は圧巻でゆうも暫く見つめて


「スゲー!」


と言った。


誠は、バス酔いでダウン。

舞は、恋患い。


みんな、それぞれの想いを抱きながら遠足を肌で感じた。


「おい‥静かにしてくれよ、吐きそうだ。」


誠は、目が虚ろである。


「誠、お前名前負けしてるし、図体もデカイのに本当にヘタレな。」


ゆうは、誠に酔い止め薬を渡して言った。


「ゆう君、仕方ないよ、体質なんだから。」


渚は、ゆうの耳を引っ張って言った。


「いてて‥耳を引っ張るなよ!」


舞は、ため息ばかり吐いている。


「舞!お前も雄大な富士山を見ろ!」


舞は、ゆうに言われた通りに富士山を見たがまたため息をついた。


「やっぱり、恋愛なんてするもんじゃないな。な!渚!」


知らない!と言われ頬をゆうは渚に叩かれた。




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