第31話ビビり

ゆうは、隠れビビりである。


美里が、躊躇無しにお化け屋敷に入って行った。


逃げようかなと思っていると美里に腕をグイグイ引っ張られてお化け屋敷の中に入った。


中は薄暗くおどろおどろしかった。


長い髪の毛の女が出て来てゆうは、雄叫びを上げて逃げた。


気が付くと屋上まで逃げていた。


ゆうは、昔からお化け屋敷が苦手なのだ。


「ここまで逃げる事ないだろ?」


美里が、笑いながら追いかけて来た。


「俺は、お化け屋敷が大の苦手なんだよ。」


「あの、驚き方は面白いな。」


美里が、腹を抱えて笑った。


「誰にも言うなよ。」


「ああ、分かった。」


ちょうど屋上からミスコンの会場が見えた。


ミスグランプリは、渚で準グランプリが舞だった。


「あの二人、ゆうの彼女だろ?」


「ちげーよ!渚は幼なじみで舞は友達だよ。」


「ふーん、二人とも可愛いな。」


「そうか?」


ゆうには、いまいち分からない。


「彼女いないなら僕と付き合ってよ。」


と美里が言ってきた。


「いやいや、今日知り合ったばかりでその告白はNGだ。」


「初めてじゃないよ。」


美里が、真剣な眼差しでゆうを見た。


「全中の会場で僕はゆうを見てる。」


「そっか‥あのときは輝いて見えたかもしれないが今は普通の高校の普通の幽霊部員だ。」


ゆうは、ため息をして言った。


「それでも良いよ。」


「俺は、彼女作らない主義なんだよ。」


ゆうは、屋上から校舎に入ろうとした瞬間に美里に頬にキスをされた。


「僕は、諦めないよ!じゃあね!」


と言って美里は消えた。


何だよあいつとゆうは、思った。


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