どうやら私は嫌われ者の様なので別人として過ごす事にします~なんか私に散々言ってきた人達が寄ってくるんですが~

桜乃春妃

転生したのに


「ふざけないで!私だってー」「煩い!黙れ!俺はお前と違ってー」


ガシャン


パリーン


こんな事は日常茶飯事。

それの被害を受けて怪我をしたくらいだ。

なんで、こんな所に生まれてきてしまったのだろう。

生まれてきてから、私が「幸せだ」と思った時などあっただろうか。

私は生まれつき不幸で、他の子とは違った。

生まれた時から歯が生えてて。

生まれた時から「いらない子」認定。

まぁそんな中でも15年間生きてきたのだが。


「ーーー!!!!」

「ーーーーーー!」


…そろそろ、止めに行こうか。

今日は凄く被害が出そうな予感がしてしまうから。



ーあれ?父の怒鳴り声が聞こえなく……。


「え?」


そこには、包丁を持つ母と、血を出し倒れている父がいた。


「未来……あんたがいなかったら……!!!」

やつれている母親が包丁を振りかぶる。

避けようと、思っているのに。いざ恐怖の前に立つと動けないものだ。


母が私の腹に包丁を刺した瞬間。

生温い体液が、溢れ出してくる。

自分でも気持ち悪い位だ。


「……あぁ、不運だなぁ……。せめて、来世は……」


幸福に。


自分でも驚く位に掠れた声だった。

私は、意識を手放した。





+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+




ドンッ


「きゃっ……」


「いい気味ね。ねぇ?シャルロット・ディアメイル様?」

突然テーブルの角にぶつけられた瞬間、

私は全てを思い出した。

「佐倉未来」それが私の前世の名前。

この女の人が言うには、私の今世の名前は「シャルロット・ディアメイル」と言うそうだ。

……ん?

シャルロット・ディアメイル?

もしかして……。

あの……「恋の花が咲く頃に」の……悪役令嬢

シャルロット・ディアメイルじゃないですか??


……最悪。

最悪よ!前世でも運が悪くて、今世でも嫌われ者の悪役令嬢……。

許されないわ。こんなこと。あっていい筈がないのよ!

「……ちょっと!」

「……聞いてらっしゃるの!?」

あぁ、話しかけていたのか。

「申し訳ありません。なんの御用ですか?」

「……あら、今日は一段と静かですわね?

槍でも降るのでは?」

「……まぁ、お戯れを。槍など降りませんわ?小等部からやり直してくれば良いのでは?」

悪役風に。悪い笑みを浮かべて話す。

うう、良心が痛む……。けど、あと少しで……。

「……っ、貴方のそういう所が嫌われるのよ……!!!」

「……嫌って貰って結構よ?あなた達みたいなのに嫌われても私、どうって事ないので。」

スタスタと去る。

結局、良心が痛みまくった時間だったが、家に帰ったらやる事がある。

……そう。この世界の事について。よく考えなければならない。







+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+


「……おっ、おか…えりなさいませ……お嬢様。」

「……ええ。あぁ、それと貴方。」

帰って来るなり怯え、挨拶を済ませると逃げようとするメイドを、私は逃がさない。

メイドがヒュッと喉を鳴らす。

「な、なにか……御用ですか?」

「私の部屋の前に使用人全員集めて。厨房にいる人達も。」

「り、了解、致しました……!すぐ、集めて参ります……ッ!」






+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+




「……こ、これで全員でございます……!」

「そう。それではー……」

皆が目を瞑る。

「今まで、ごめんなさい。謝って済む事ではないとわかっているわ。でも、反省はしているの。少しずつで良いから、許していって欲しいの。」

使用人が皆マヌケな顔をしている。

ポカーンと効果音が着きそうな位だ。

「……お嬢様。」

「……なに、かしら……」

「俺達の方こそ、ごめんなさい。影で実は、お嬢様の悪口を言っていたんです。ですので、これでおあいこですね。」

皆が許してくれた。本当に、申し訳ないわ……。ティーカップ使用人に投げ付けるとかシャルロット頭可笑しいな……。

「そう。そこで皆に相談があるの。実は、私、変装して、学園に行きたいわ。」

またもや使用人達がポカーンとなっている。


「……ほら、私の評判って最悪じゃない?だから、シャルロットは死んだ事にして、シャルロットの“妹”として学園に通うのよ。」


「それは本当かい?シャルロット。」

「お父様……。」


なにやら悪い笑みを浮かべるお父様。


私は屈する気なんてさらさらないわよ……!

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