異世界転生
「英語とは」
ロリ先生の授業である。今日は英語とは何か、から始まった。順調に授業は後戻りしていって、ついに一番最初からになったようだ。
ロリ先生に指名された生徒が立ち上がる。この異世界から転生して来たかのような風貌の男性生徒は、
「英語は英語でしょう? 今更どうしてそんなとこやってるんです?」
異世界君の答えに、教室中が静まり返った。
「またオレ何かやっちゃいました???」
目を点にして、右手で後頭部を掻きむしる異世界君。
「そ、そうか……英語は英語だよね」
「ああ、よく考えてみれば……確かに!」
「凄いな異世界君!」
「流石だわ異世界君!」
異世界君の一言によって我に返るクラスメイト達。
「うう……みんなが私の授業聞いてくれないよう」
半泣きのロリ先生。
「ああ! ロリ先生が泣いてる! イケないんだ異世界君!」
急にイキるザコ。お前ただ突っかかりたいだけだろ。
「さらにオレ何かやっちゃいました???」
異世界君、もう少し語彙は無いのか。
「ザコちゃんがんばえー」
「ふふ。ロリ先生に応援されたら、もう負ける気がしない……!」
勝てたことないじゃん。
「喰らえザコキック!」
ザコが見るからに雑魚いキックをかます。
「キンキンキンキンキンキン!」
異世界君、それ口で言うのか。
「へへ。守ってばっかじゃ勝てないよ! さらにザコパンチ!」
「キンキンキンキンキンキン!」
「ちょ、ちょっと待って!」
ザコは飛び退いた。
「どうして私の攻撃を普通に捌いてるの!」
言うほど大した攻撃じゃなかっただろ。
「効かねえ、チートだから……!」
不敵に笑う異世界君。やかましいわ。
「ステータスオープン! なんだ、ただのザコか」
「ふえーんどうせ私は経験値少なくて効率の悪いザコですよーう!」
ザコがロリ先生に泣きつく。ステータスオープン、最初にやるべきだったのでは……?
「私に任せてよ。私、せんせえ、だからっ!」
するとロリ先生は、ニヤァと怪しげな笑みを浮かべて異世界君に近づく。
「ねえ見てよ異世界君。大人な私の、この豊満なバスト!」
ぺったんこな胸を突き出すロリ先生。ああ、大人っぽい色気を出したいのだろうけど、子供が見栄張っているようにしか見えない。痛々しくて見てられない!
「ぐっ……無職童貞だった俺に、その誘惑はきつい!」
異世界君は苦しそうに蹲った。高校生なんだから気にしなくて良くない?
「ほーら。ぎゅってしちゃうぞぉー! ぎゅーっ!」
ロリ先生はそのまま異世界君に抱きついた。
「はわわ、コミュ障で女性経験が少なくてオタクな俺になんてことをおぎゃあっ!」
属性てんこ盛りじゃん。
「ママーっ! チート並みに強くなって僕を甘やかしてばぶぅ」
流行に乗ろうとするな!
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