オクリビト「世界を救うのは敏腕トレーダー(33)」

オプス

第1話 ピクニック?

ボス!

暴落が止まりません!


ボス!

こちらの銘柄が急騰してます!


ボス!

このままでは◯◯が破綻します!


ボス!

インフレによる国民の暴動はどうしますか!?



ボス!

ボス!!

ボス!!!


うろたえるな!

すべてオレが描いたシナリオ通りだ。

いいか、、、。


さすがボス!

見事な手腕で解決なさいましたね、これで今年の利益は、、、。


オレはカワセ。


世界を牛耳っているトレーダーだ。

表裏一体である全ての金の流れは全てオレの手のひらの上だ。


なにを

いつ

どこで

どれだけ

いくらで買うのか。


ふふふ、、。全ては望みのままだ。

だが同時に退屈だ。

ないものがない。

これではいくら稼いでも意味がないな。


何のために生きているのか、時々わからなくなるからな、、金があっても失ったものは取り返せないのに、、。


ふぅ、今日はなんだか眠いな。

ここ数日トラブルがあったからかな。


少し仮眠を取ろう。

たまにはいい夢をみたいものだ。

見たことのない、あたらしいなにかの夢を、、。


---------



ビチャア、、、!

ごほごほ、、、!!!


なんだ!?

いきなり顔に気色悪い感触が。

雨!?なんで雨が!

ここは88階のビルの最上階スイートルームだぞ?

しかも身体中が痛い。


ん、、、?


なんだ、様子が変だ。

まず外だ。

しかも見たことのない自然が豊かな土地だ。

緑が茂り、少し拓けている。


オレは見たこともない巨木の下に倒れていたのだ。屋久島の杉木の10倍はある。

こんなもの見たことない。


そうか、これは夢だな。

ピクニックの夢だ。

ピクニックなんて、いつぶりだろう?

しかし雨に濡れた感触とか妙にリアルだが、、。

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