第11話 プロローグ 十一

 今日は2017年10月1日、日曜日だ。僕の頭の中で、その信じがたい事実がループしている。

 『このタイムスリップから抜けて、元の世界に戻る方法はないのかな…?』

僕は次の瞬間、そう考えるようになった。

 しかしそんな方法、そう簡単に思いつくはずもない。確かに僕はSF小説などは好きだが、それが現実に起こると、対処なんてできないだろう。

 『と、いうことは、僕はこのままこの世界から出られない…?

 いやでも、僕は別に他の世界にとんできた訳ではない。ただ、タイムスリップしただけだ。それも、例えば江戸時代とかではなくて、僕が暮らす2018年3月現在の、少し前の時間に。

 ということは、このまま『この世界』にいても、すぐに時間は元に戻るんじゃ…?』

僕はそんなことを思い、少し気が楽になった。 

 それにしても、今日は日曜日で、大学の講義は休みだというのに僕は友達によく会えたものだ。そう、友達に会えていなかったら、僕はその「事実」に気づくのが遅れていただろう。

 『そういえば、今日はサークル活動がある曜日だったな…。』

 現在僕は、2つのサークルに所属している。

1つは、SF研究会。先程も少し触れたが、僕は小さい頃からSFの類が大好きだ。だから大学に入り、そんなサークルがあるのを知って、僕はすぐにそこに入ることを決意した。

(あと、僕がSF好きではなかったら、「タイムスリップ」という事実に気づくのも、もっと遅れていただろう。)

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