アリスマリアR、血まみれの日常
名前を与えらえ、収容棟に入れられているCLS患者を幸運と言っていいのかどうかは分からないが、少なくとも生き延びていることは事実である。だがその陰には、名前を付けられることさえなく実験・研究によって<消費>されていったCLS患者が多数いたことも事実だった。
その多くはCLS患者のことをより正確に知る為の解剖により喪われた者達だ。特にアリスマリアHが来てからというもの、アリスマリアRによる解剖は昼夜を問わず行われ、その日の作業が終わる深夜には全身血まみれの全裸美女が手術室と共にリリアテレサによって洗浄されるという異様な光景が毎日繰り返された。
「ああ~、気持ちいい…」
手術室は丸洗いできるようにユニットバスのような構造になっているので、事実上、風呂場と変わりなかった。それをリリアテレサが高圧洗浄機で洗っていく。その際ついでにアリスマリアRも高圧洗浄機で洗われるのだが、生身の体には少々厳しい水の勢いもロボットの体には心地好く、ちょうどいいプレイになっていた。
乳房や股間などに高圧の水流を当てられ、アリスマリアRはその刺激を堪能する。特に、脚を大きく開き股間の最も敏感な部分に至近距離から浴びせられるそれが一番のお気に入りだった。
「あ、それいい、もっとぉ~」
恍惚の表情を浮かべ、浅ましい淫売のように快楽に溺れるアリスマリアRの姿を、リリアテレサは相変わらずの軽蔑しきった冷淡な目で見下ろしていた。だがそれすらメルシュ博士の望むプレイでしかない。リリアテレサはそれを十分に承知しているのだ。故に容赦なく高圧洗浄機で責め立て、
「気持ちいいですか? この変態…!」
と罵るのである。
「あひ、あひっ、い、いぐっ! いぐぅっっ!!」
アリスマリアRの腰ががくがくと跳ねあがり、派手なオーガズムを迎えて果てた。それを見届けて、リリアテレサは最後に手術室全体をざっと流し、水滴をモップで拭って清掃を終える。もちろん床に寝転んだままのアリスマリアRもそのモップで拭く。
「邪魔です、博士!」
と罵りながら。
ちなみにこの時代のロボットの防水技術は非常に高度になっており、高圧洗浄機で丸洗いしようがスチームを噴射しようが、メーカー推奨の洗浄方法でしかなかった。電子部品はそれこそ部品単位で樹脂コーティングされている為に、内部機構に少々水が入ろうが、人工頭脳を丸洗いしようが、壊れない。これはロボットに限らず、それなりの品質を持つ家電製品ならほぼ全てに同じ処理が施されているので、水に浸けたくらいで壊れるのはよほどの安物というのが一般的な認識だった。機械は水に弱いというのは既に遠い過去の常識だったのである。
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