第21話廃村

「太郎、アイスクリームは無さそうだな。」


春男が車を止めて言った。


「うん、かなり寂れてるね。」


「モンスター退治、辞めるか?」


「署長直々の命令だからな…。」


太郎は、髪をかきむしりながら答えた。


「お前が署長の命令で動く事は奇跡だな。」


春男は、笑いながら言った。


「たまにはさ、長いものにはなんちゃらしてみたくてね。」


「そっか。」


修羅村に、二人は潜入した。


ひどい異臭がたちこめている。


霧の深い村だった。


一メートル先も見えない。


女の叫び声がした。


声の方へと太郎と春男は向かった。


「なんじゃあこりゃー!」


春男が、叫んだ。


神社内で男女が裸になって性行をしているのだ。


「罰当たりだな。」


「そうかな?」


太郎は、冷静に観察していた。


「どう考えてもおかしいだろ!」


「童貞の、春男ちゃんが言っても説得力ないよ。」


春男は、落ち込んでしまった。


「まぁ、誰がボスキャラなのか探さないとね。」


春男の、首根っこを引っ張って神社を二人は後にした。




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