10/9 水曜日
朝起きてアイビーに水を上げる。
今日は葉っぱが一つ落ちていたから心配でよく見て見たけど、特に何もなかった。
今日も昨日と同じように朝早くに家を出た。
今日は最後の追い込みで、宣伝のビラを印刷したりそれを学校の色んなところに貼ったり、お店での実際の動きをリハーサルしたりした。
本番と同じ様に制服を着てリハーサルをするからとても楽しみにしていたら
「上原さんはその気持ちだけで十分だよ。」
と色んな人から言われた。
皆、私があの事故に遭うまではとっても仲が良かったのに。
あの日退院して学校に行った日からなんだかよそよそしくなった。
200枚の印刷用紙をコピー機に持っていこうとしただけなのに、それを笹原さんと鈴木さんが持って行ってくれた。
二人とも前はあんなに仲良くしてくれたのに。どうしてまだお見舞いに来てくれた時みたいに気を使っているの?
もう私はこんなに元気なのに。
「上原っち、この制服チョーカワイイね!」
でも渡辺さんだけは違った。
渡辺さんは今年の夏ごろにやってきた転校生で、私の事故の後に来た。
とても明るい性格で、誰にでも話しかけてくれた。この私にもとっても眩しい笑顔で笑ってくれる。
「ね、私がお客さんするからさ、お店の人をしてよ。ね、鈴木っちと笹原っちも一緒にしよ!」
綺麗な金髪が制服の黒と白とに映えてキラキラとしていてとってもきれいだった。
「定員さーん、この抹茶ドリンクお願いしまーす。」
私、渡辺さんが居なかったら今頃は家で引き籠っていたかもしれない。
渡辺さん、いつもありがとう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます