独裁者宣言
ふと、ボールペンで余白に落書きしたときのように、あっというまに終わってしまえたらいい。鮮やかな夜明けも、デミグラスソースハンバーグも、精神的左利きの憂鬱も、ぜんぶぜんぶ嘘であればいいのに。
人生がめんどくさいので死にたい。直線をひく。電信柱のように立っているだけで肯定されたい。駄目だよって言われても、生きてたって駄目だよって言われるのに、どうすればいいの。だから、雪がふることを祈っている。まっしろ。冬がきてほしい。
新雪をふみあらすには、とほうもない繊細さが必要で、だから、握りしめた心臓も、つぶれた空き缶も、夕焼けの街並みも、ぜんぶぜんぶ君のものでいいよ。ぜんぶ嘘だから、好きにしたらいい。
独裁者になろう。今ここで宣言しよう。やわらかさにためらい、冷たさにおびえようとも、大丈夫、世界は君のものだ。君は君を独裁して、どこまでも踏み荒らせばいい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます