メンタルが限界だから座禅を組むぞ!!
毎日毎日しんどい!!
座禅の効果効能はグーグル大先生にでも聞いてちょ!!
まずずーっと座ってるとおケツが痛くなるので、おケツの平和を守るために布団の上とか座布団の上とか座面がフラットなソファの上とかに陣取ります。
リクライニング機能のついたソファはフラットじゃないのでオススメしません。
そこに胡座をかきます。
どっちの足の裏が上とかそんなこたぁどうでもよいです。
胡座をかきます。
お手ては楽にしておいてくださいな。
お股のところで楕円を作ってもいいし、親指合わせててもいいし、なんなら膝の上に置いといても大丈夫。
別に仏様を拝もうとしてるわけじゃないのでなんでもよし。
わたしは膝の上で軽く握ってることが多いかな。
背中を伸ばします。
今からあなたは筍です。
おケツから背骨を通って脳天を突き抜けて竹が育っていくイメージで背中を伸ばします。
別に竹じゃなくて松でもいいし松はまずいな、桜でも杉でも檜でもなんでもいいんだけど、取り敢えずおケツから背骨を通って脳天突き抜けるイメージ。
竹みたいにきれいにまっすぐでもいいし、わたしは目指せ屋久杉。
自分のなりたい木をイメージしましょう。
お目めは開けといてね。
一回しっかり閉じて、そこからアニメの主人公の戦闘直前よろしくすうっと開きます。
そのまま呼吸。
ゆーっくり5秒吸って、ちょっと止めてからゆーっくり5秒吐きます。
調子がいいときは8秒とか10秒とかいくけど、取り敢えず5秒で。
同じリズムを繰り返すことが大事。
息を吸い込んだときには腹が膨らむことを、吐き出したときには腹がへこんでいることを意識しながら、ずっと同じリズムの呼吸を繰り返します。
座禅ってなに考えてればいいの? って思われがちですが、ずっと呼吸のリズムを刻みます。
腹の動きにも注意しながらだから、なかなか頭の中は忙しいよ。
え、瞑想したいの?
どうしてもしたいの?
仕方がねぇなぁ。
そんじゃ呼吸のリズムを刻みながら瞑想しますか。
腹の中に入れた空気が、血液循環に乗っかって毛細血管の先まで全身を巡っているイメージを忘れずに持っていてね。
きみは木だ。
きみの周りには水がある。
太陽の光と風で波打ってる。
波の程度はきみ次第。
1メートル先の青と白の波が見える? まあ人によっちゃあ泥みたいかもしれないけど。
じゃあそれを、呼吸のリズムに合わせてゆっくり波を止めてくださいな。
水の呼吸 拾壱ノ型 凪
目指すはこれ。
分かんない人は『鬼滅の刃』をご覧あれ。
わたし最初にアニメ観たときびっくりしちゃったよ。
わたしは最近口のすぐ下まで水がきてて溺れそうなので、なんとか水面に上がるとこまではやんなきゃいけない。
これ10分も続けられたらすごいです。
想像以上に集中力が必要よ。
15分を目安にやってみようか。
毎日毎日しんどいね。
でも絶対、大丈夫よ。
あ、ついでだから、わたしのメンタル保持のためにわたしが高校生のときに書いてた創作物をちょっぴり置いとくね!
他に置き場なくてさへへへ!
読まなくてもいいし気にしないで!
『Quartet』
知ってる人しか知らない、私の高校時代の創作物。
ぐだぐだ。
続くかも続かないかも。
―1―
午後2時少し前。
昼飯を食うために、カランと軽い音を立てて店の中に入ると、白髪頭のマスターはいらっしゃいとも言わずに、
「ああ丁度良かった。尚人、渡辺さん知らないかい」
と言った。
「渡辺さん? 知らん。受付には居なかったから、またどっかそこら辺で迷子の振りして徘徊してるんじゃねぇの」
狭いとしか言いようがないカウンターに備え付けられた小さなスツールに勝手に座ると、細身の老齢マスターは「そうかぁ」とか言いながら水とドレッシングのかかった小さなサラダとフォークを尚人の前に置いた。
「なに、渡辺さん連絡しようか」
「ああ、そうしてやってくれ。お客さんだよ」
狭いカウンターの向こうからマスターが指で示す先を見れば、窓際の隅の席に男がひとり表情を強張らせて座っていた。
30代、かな。
スーツでいるあたり、仕事はしてそうだ。
ふーん。
尚人はジーンズの尻から携帯を出して電話をかけた。
「あ、渡辺さん? マスターが呼んでるよ」
それだけ言ってすぐに切った。
目の前にオムライスが来たから。
スプーンで掬って大口で食べると、いつものケチャップの味。
窓際の「客」は黙ってそれを見ていた。
「で? 用件は?」
オムライスを口いっぱいに頬張りながら尚人は窓際の男に尋ねる。
食事を黙って注視されるのは気分が悪かった。
話し掛けられた窓際の男は、戸惑ったようにマスターを見る。
「ああ、コイツがあんたの捜し物ですよ」
マスターが愛想よく笑いかけると、その男は小さな声で呟いた。
「貴方が……?」
「そ。ま、うちは4人組だけどな。あ、マスター、結季が唐揚げ食いたいって言ってたから、あとで来ると思うよ」
「そうか。走り込んだあとなら暗くなってからかな」
「多分な。毎日飽きもせずよくやるぜ。で? あんた。依頼は何。渡辺さん来る前に俺にも教えてよ」
自分よりも明らかに歳の若い柄の悪い男にどんな態度を取れば良いのか分からないらしく、その「客」は口ごもった末に質問には答えなかった。
「わたなべさん、っていうのは……?」
「ああ、管理人だよ。マンションの。あんた何も知らずに来たのな」
「すみません……」
「別に良いけどさ。ウチに来んのなんか訳アリばっかなんだから、別に話すのに遠慮なんか要らねぇよ、オニイサン」
オムライスもサラダもすっかり食べ終えて、尚人はその「客」に向き直った。
ニヤリと笑ってみせる。
「あんたの依頼を請け負うかどうか、決めるのは俺らじゃねぇ。渡辺さんだ。でもそのあんたの依頼を叶えてやるのは俺たちなんだから、聞く権利はある」
男は、迷った末にあの、と話し始めた。
「連れ出してほしいんです、ある人を」
カラン。
そのときちょうど店の扉が開いて、入って来たのは渋味がかった濃緑の着物姿の男だった。
「あ、渡辺さん」
窓際の男は尚人のその声に釣られてそちらを見る。
「いやぁ、遅くなってしまった。お待たせしてすみません。ちょっと迷子になってまして。マスター、僕にもオムライスください」
「はいよ」
渡辺さん、と呼ばれたその人は、迷う事なく窓際の彼の向かいに座った。
まだ若くも見えるし、老齢にも見える。
張り付いたような愛想笑いのその人は、不思議な雰囲気を纏っていた。
尚人を振り返った彼は、へらりと笑う。
「尚人、さっき結季に会ったよ。唐揚げ持って帰っといてくれって。機嫌悪そうだったなぁ」
「はああ? あいつ一番年下の癖にどんだけ人使い荒いんだよ。渡辺さんが結季を甘やかすからだろぉ。あと機嫌悪かったのは、こないだの豚の依頼をあんたが請けたからだよ」
「金回りは良かったからなぁ。まぁ結季はまだ16だしな。絵里も同じくらい甘やかしてるつもりなんだけど」
「甘やかしてんのは否定しないんだなロリコンめ」
「フェミニストと言ってくれないか。ああ、そういえば今日は早く帰るよ、絵里。仕事頼んだから」
「じゃあ晩飯は要らねぇな。雪也はどうせまた残業だろうし、結季は唐揚げあるからな」
「また服選びに付き合わされるんじゃないかな」
「他人事だと思って気楽なもんだぜ」
まるで「客」の存在を忘れたかのように話し続ける彼らの前に、出来立てのオムライスが届いた。
「渡辺さん、びっくりされてますよ」
マスターに言われて二人はやっと思い出したかのように隅で縮こまる男を見た。
「あ。いやぁすみません。ちょっと所用を話し出したら止まらなくて。あ、いいですかね、コレ。僕お昼がまだでして」
既に目の前に置かれてしまっているオムライスに駄目とは言えず、その男は小さくどうぞ、と言った。
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