その後
思ってたよりもたくさん時間が取れたぜい!!
3日くらいかかるとか言ってたのにごめんなさい!!
全然かかんなかったわ!!
えっとね、取り敢えずみかんちゃんは以前よりも非常にメイクが濃くなっていて、パスタはとてもお高かったです。
ああ、今度食べ物屋さんのはなしもしよう。
そんでねぇ、わたし本当に行ったんですよ、元締めの人のお宅。
夜ごはん食べに行きました。
本当、駄目だからね、行ったら。
危ないんだから。
方向音痴なのでどこにどうやって行ったのかは覚えてないんだけど、みかんちゃんに連れていってもらいました。
わたしは余程興味がなかったのか、マンションだったのか一軒家だったのかすら覚えてないんだけど、広くてきれいなおうちだった気がします。
元締めの人は、独身らしい派手なおばはんでした。
若作りというか、ワタシ仕事できる人ですから! オーラを出してるというか。
装飾品と濃い化粧でキラッキラ!! みたいな、そこらによくいるおばはん。
4、50代、くらいだったかなぁ。
他にも数人集まっていて、30過ぎくらいのおっさんもいて、主婦みたいな人もいて、ぱっと見たら本当になんの集まりなの? ってくらいばらばら。
まあ、ねずみ講の集まりなんでしょうけど。
どうやって知り合うんだろうね。
そして、失礼ですけどなんかアウトなお薬でもやってらっしゃるんです? って聞きたくなるくらい、みんなテンションが高かった。
どうも男性が盛り上げ役らしくって、土建業みたいでしたが、彼の職場の話を聞いてみんなが笑う、みたいな感じでした。
わたしは初対面だったし、はなしを聞いてもなにが面白いのかもよく分からないし、うっぜ……くらいに思いながらにこにこ愛想笑いを振りまいてました。
肝心のごはんも覚えてないんだなあ。
手作りだった気もするし、惣菜のオードブルだったような気もする。
ぜーんぜん覚えてない。
んでね、一頻り食って話して、はあ〜ってはなしが途切れたときに、元締めのおばはんが唐突にわたしに聞いたんですよ、
「で? あなたはどうしてここに来たの?」
そこにいた全員がわたしを見ますね。
みかんちゃんも、酒が入ったのもあってにこにこしています。
向こうは勧誘の結果でわたしがそこに混じってると思っていたのかもしれませんが、わたしはやれやれやっとかよ、と思いながら本題にはいりました。
「実はみかんちゃんがあまりにしつこいので、直接ここまでお断りにきたんです」
別にしつこかったわけではないんだけど、わたしは敢えてそう言いました。
一瞬の静寂。
固まる一同。
でも元締めおばはんはリスク忌避能力の高い人だったみたいで、はなしは思っていたよりもスピーディーに進みました。
しばらく押し黙ったあとに「なにが」の部分は口に出さず、
「じゃあ、あなたは参加しないのね?」
と聞かれたので、
「はい、断りに来たので。ここに来るのが一番手っ取り早いかと思って」
と答えると、
「うん分かった、じゃあ今すぐ帰って。タクシー呼んであげるから」
となりました。
そっからすぐにおばはんがタクシーを呼んでくれて、タクシー代に一万円札をもらいました。
帰り際に「もう来んなよ」みたいなことを言われたので、口止め料とか手切れ金とか、そういう意味合いもあるお金だったかなーと思いますね。
まああの、方向音痴なので、場所を把握できてないからがんばっても行けないけどね。
みかんちゃんからしたら、わたしが「交友関係が広くて誰とでも話す人気者」のように見えたんだろうから、うまく行けば大きな利益になるとか思ったのかもしれないですね。
根無し草があんたの言うこと聞くわけなかろう。
誰の言うことも聞かんから根無し草なんだっちゅうのに。
それにしても、ちゃんとおうちに返してくれる人たちで本当によかったわー!
これがおばはんの家じゃなくて、うっかり黒スーツ着た集団の事務所とかだったりしたらと思うとぞっとしますね。
若気の至りってこわい!
悪いことしてるって分かってる人に、興味本位でほいほいついてったら駄目よ本当。
被害に遭ったらまずは警察とか法テラスとか消費者相談窓口とかに行くべきだし、そうじゃなければ安易に自分から近づいたら駄目なんだからね!
ちなみにその翌日からみかんちゃんを大学で見かけなくなりました。
そのうち夏だったか冬だったかの長期休暇の間に騒動はすっかり沈静化したらしく、いつの間にか壁の貼り紙もなくなってましたね。
用心深いおばはんだったのかもしれないです。
わたしは影のヒーローだったかもしれない。笑
マカロニちゃんがどうなったのかは、聞くの忘れ続けてちょっと知らないんだけど、卒業時期辺りにはみかんちゃんがキャバクラで働いてるらしい、みたいな噂は耳にしました。
自分の意思かどうかは知らんけど。
いやあ、いろんな人がいるもんだわ。
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