第15話 疲労の蓄積
その後、方丈様は結局1ヶ月も長居してしまったといって深くお礼をして帰って行く。今は、朝にはやこさんが仕事へ行き、すれ違うように今度は豊子さんが店に来て準備を始める。
最近では、ボランティアがしたいと言ってこの店を訪れる人も出てきたため、夕方から夜にかけてよねさんとお店にいるようになった。新築の家も着々と進んでいる。
そんなこともあって疲れがたまったのだろうか…よねさんは、疲労で体調を崩し玄さんの病院に入院することになる。
息子夫婦と娘が病院に駆けつけ、疲労とわかると途端に説教が始まる。「お母さん…もう80近いんだからいいんじゃないの?同居してくれよ。嫌なら老人ホームでもなんでもいいから…これ以上あの店は無理だからね?」長男が不機嫌そうに腕組みをして眉間にシワを寄せる。お嫁さんは、花瓶にお花を生けたりせわしく動いてくれている。娘は、老人ホームのパンフレットを眺めながら「最近の老人ホームってすごいよ?マッサージに温泉だってよ?わたしが入りたいくらい。」
長男たちをうまくかわして帰らせたあと、米さんは少しかんがえていた。店は今豊子さんとボランティアの人が3人いる。みんな通いではやこさんだけが、住んでいる。もうよねさんが何にもしなくても任せられるほどしっかりした人ばかりだ。潮時かもしれない…そう自然と思えてきた。
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