第29話秦ぜよ(side大王)
「ワシの呼びかけにも応じず今まで何をしていた?」
「何も」
ワシに心の奥底まで見せられんとは、コヤツ中々やりおるわい。フフフフッ!
「まぁ良いわ。戯言はさて置き、今、水島市周辺にパトカー始め、国の存亡をかけてか、自衛隊まで進出しつつある。まずはこれを殲滅。そして
「ハッ!」
「存分に暴れてこい。後に、お前に増援を送る。その時まで持ち堪えろ!」
「ハッ!」
ワシは、マダムーンを水島市付近へ瞬時に送った。巨大スクリーンに一瞬にして現れたマダムーン。三日月の夜を象徴するようなマダムーン姿は実に美しい。さて、大本命の登場前に奴を更に興奮の
すぐさま牢屋に閉じ込めておいた
ワシは、この機会をどれだけ待ち望んだ事か!ワシの父親である、魔王を倒したヒーローは、もはやワシの親父である
元ヒーロー、憎っくき
フフフフッ……。
「ギャラギャラギャラギャラ!」
「大王様、カイトを連れて参りました」
側近の
「カイトよ、鎖にも繋がれ気分はどうだ?」
「うるさい! 今度は何を見せるつもりだ!」
「おおぉ! 察しが良いなぁ?」
「…………」
「まずは、これを見よ! 先ほどお前の前に登場した、マダムーンが今、水島市駅付近で自衛隊と交戦中だ。とくと見よ! この進化した母親の姿を! そして怒れ! 大切な母親が、罪なき人々を殺していく様を!」
「なっ何だとぉ!」
「フッフフフッギャラギャラ! その目だ。いい目をしておる。もっと怒れ!」
「クッソォ!」
「マダムーンの戦闘力は、自衛隊なんぞあっという間に片付けるぞ。ほぉれぇ。怒って見ろ!」
「やめろ。俺の母親に弾丸を打ち込むな!」
「おっ!? そっちか。そらそうかぁ。自衛隊より、母親の心配か。いいぞぉ!」
「こんなこと止めさせてくれ。頼む、大王!」
「フンッ止めさせるものか。これはマダムーンの使命じゃわ!」
それそれ。怒れ! もっと怒れ!
「最後のご対面もあったらしいが、所詮は、怪人に変貌させたマダムーンよ。よくやりおるわい!」
「なにぃ!」
「フンッ。先ほどまで、母親との感動の対面で、何をしていたかは詳しくは知らんが、最期に話せて良かったのう!」
「なんだとぉ!?」
「自衛隊には負けんだろうが、
「まっまさか!」
その表情いいぞぉ。憎っくき
「そのまさかだよ?緑のタイツには叶うまいて……ほぉれ、
「うわぁああああああああああ! 止めてくれ。
「怒れ、そして叫べ。ワシの真の
「うああ!
そうだ。怒れ、そしてこの御膳である広間を潰す勢いの波動を発せよ。それがお前の、唯一助かる道だぞ。カイトの波動が、ワシと側近達、そして、周りのジャッカル達は、その波動に耐えきれずに、空を舞った。側近である
「大王さまぁ。こっこれはぁ。うおおおおおお。お助けください!」
「フォオオオオオオオオオオオオオオオォオォォォ!」
波動が、大広間の壁をぶち壊し、空中にジャッカル達、否、元人間達が空を舞った。
怒れ、カイトよ。そしてワシをこの日本の王に秦ぜよ!
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