革命

俺は奇妙な乗り物に乗っていた。

黒い奇妙な箱に車輪が付いた、とても遅い乗り物。

それに乗った俺が箱に付いた何かを触って音を出していた。

それが異世界のピアノという楽器とは誰も思うまい。

「音楽の力は要るかい?」

「見て解らないか?今に何も要らなくなる。誰も居なくなる。

余所の人、逃げるといい。」

「そうか…なら、俺がここで音楽をかき鳴らしても良いよな。」

今の状態。

魔物に蹂躙されるのが村人の常。それが本来の有るべき法則、システム。

それを引っ繰り返す。

法則を逆転させる、圧政や蹂躙に逆らうのなら…



ショパン『革命』



嵐の様な世界が見える。蒼く、冷たい。かの音楽家に感謝しなくては。

村に響き、それが魔物に響く。

村人達の顔が変る。

疲れた様な、絶望した様な、生きる事を諦めたような顔。

それが響く音楽によって変わっていく。


生きようと、死に逆らおうとする意志が芽生える。

「さぁ、革命の時間だ!」

割と弾くので一杯一杯になりながら叫ぶ。


「おおおおおおおぉおおおおおぉおおおお!」

村人が一瞬にして魔物の群れに立ち向かっていった。

女子ども、老人までが魔物に向かっていく。

しかし、犬死にはしない。


猪を巴投げにする主婦

老婆がオーガをバックドロップ

ショタの腰の入った良いコークスクリュー………


文字通り、革命が起きた。

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