第13話 病気

ユウキ:澪夢も俺も基本病気にかからないんだけどさ。

ハルト:そうなの?

ユウキ:うん。澪夢の場合は耐毒性能が異常だから。俺の場合はそういう種族だからなんだが。まぁ、この世界独特な病気って結構あったり。

ハルト:例えば?

ユウキ:魂を侵食する病気とか? 魂が不活性化するから、見た目は何ともないのに精神が衰弱していってしまいに死ぬ。

ハルト:ひえっ

ユウキ:もしかしたら、現実世界でもあったのかもしれないけど。この世界では割とメジャーな部類の病気だぞ? あ、まぁ……ハルト君にも関係ない病気だけどね……。

ハルト:状況適応と不老不死がまじ有能過ぎてありがたすぎる。

ユウキ:そんな不老不死にしかかからない病気とかもあるけどね。

ハルト:……そ、マ?

ユウキ:なんて言ったかなぁ……花零病とか言ったかな。体のいたるところから蕾が生えてきて、花が咲いて散るころには死ぬって病気。原因不明。症例も数件しかない。そもそも、不老不死が少ないからだけど。

ハルト:こええ……

ユウキ:めっちゃ綺麗だぞ。透き通った花の蕾がな、いたるところから生えてなぁ……全身覆っていくんだよ。あー……ツタ植物の……クレマチスとか、クライミングローズとか、プルンバゴとか、人によって咲く花が違うんだよ。ツタ植物じゃないケースもあったかな。

ハルト:詳しいですね……

ユウキ:長生きしてると遭遇することもままある病気だしな。

ハルト:かかりたくねーなぁ、その病。

ユウキ:花関係だと、花吐き病もあるな。花びらとかを口から吐くやつ。実際の花を吐いてるわけじゃなくて、魔力が結晶化したものを吐いてるんだが。

ハルト:メルヘンなのか何なのか……

ユウキ:ついでにめちゃくちゃ痛い。

ハルト:まじかー……

ユウキ:花が精製されるときも痛いし、吐くときも痛い。魔術師的になりたくない病気ナンバーワン。でもなりやすい病気ナンバーワン。

ハルト:……ついでに治療法は?

ユウキ:魔力障害って、基本的に体内の魔力の流れがおかしくなるからなるんでな。その流れを整えてやれば治る。大体は服薬だけど、こう、外から魔力を当てたりして治す場合もある。あと、軽度だとマッサージすると治ることもある。

ハルト:まじかよ。

ユウキ:や、肩こりで魔力障害起こすことあるからねー! 血行良くすると魔力の流れもよくなることもあってなぁ。人体の不思議だよなー!

ハルト:人体不思議だな……。

ユウキ:まぁ、花を吐いてる時点で重傷だから。呪医に見てもらうのをお勧めする。

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