魔銃戦線
ちょこさんど
第1話 散歩
第二次世界末期、ドイツ帝国が降伏し大日本帝国が最後の抵抗を行っているころ……
「こんなド田舎の施設一つ放っておいても何の問題もないだろ……」
「まあそういうなよ、ケッサ。おかげ様で前線から離れてこうやって散歩してるだけであとは国に帰れるんだからよ」
ケッサと呼ばれた男はそれでも面倒くさそうに手に持った小銃を手持無沙汰に振り回しながらしぶしぶ黙って再び歩き出した。
西部戦線から少し離れた片田舎、そこにある元ドイツ帝国軍の人体実験場を目指して、第二十七小隊の二人は炎天下を無駄に重い装備をガシャガシャと鳴らしながらを歩いていた。
二人は上層部からの指令でそこの調査に向かっていた。
ケッサはうさを晴らすように大声で叫ぶ。
「ったくついてねえなぁ、ジープがイっちまうとは!」
「お前がふざけてションベンをタイヤにかけたのがまずかったんじゃないか?」
「黙ってろブージ!」
ブージはおおげさに両手でやれやれとジェスチャーをして黙った。
ケッサのいつもの癇癪にはだんまりが一番効果的だと長い付き合いからブージは理解していた。
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