13話3Part 寿司とハロウィン③
「あっはははは!ww......いや、エクスカリバーって......そりゃ確かにまずいな!色んなゲームやアニメとかに出てるし、先の会話とか他の人に聞かれてたら厨二病に思われるよなwww」
「僕もそう思うww」
2人で2本目の聖剣......エクスカリバーの名前をひとしきり笑って、生理的に溢れる涙を拭いながら帰路に着いた。
望桜はまだ普通の高校生だった頃にネトゲに没頭していたこともしばしばだったから、そして葵雲はパソコンのMatebaTVのアニメで見たから、馴染み深い伝説の剣の名前がまさか下界のそんなすごい剣の名前だったとは。望桜は単純にそう思って爆笑し、葵雲はそんなにおかしいのかとつられて笑った。
「でもよ、そのエクスカリバーは一体どこに行っちまったんだろうな?」
「1代目聖剣勇者が行方不明になったのと同じタイミングでなくなっちゃったんだって。詳しいことはよくわかんないけど......」
「まあ、今気にすることでもないか「あ、アイス食べたい!!」
望桜の呟きは葵雲の声にかき消され、2人の視線は先日オープンしたばかりのアイスファクトリーに向けられる。街道に溢れる行列に望桜は心底めんどくさいと思いながらも葵雲の要望に応えるためにアイスファクトリーから続く行列の最後尾に着いた。
「これ食ったら帰ろうな」
「うん!!」
満面の笑みで望桜の方をを見ている葵雲に望桜は内心萌えながらも、顔ではいつも通りを貫き通した。ハロウィンのかぼちゃがのったものや飾りが沢山のったものではなく、コーンにアイスがひとつだけのった"シングル"と呼ばれるシンプルなものを食べながら2人はヨシダパークハイムへと帰り着いた。
「ただいま〜」
「ただいまー!!!......およ?」
「帰ってきて早速パソコンか」
「なんか届いてる、メール送ってくる人なんて意味の無いチェーンメールぐらいしかないのに」
「ほえ......」
帰ってきてすぐに葵雲が起動したパソコン。メールの受信ボックスを表示したパソコンのディスプレイには、
3dq<f\4Eyf[|wE|r.?
と、映されている。
内容がよくわからない2人はしばし画面を見つめた。
「何これ?......あ、瑠凪から送られてきたんだこれ」
「んだよそれ、わかるやつを送ってこいよ......?」
「............あ、」
......ふと、葵雲が何かを思いついたように声を上げた。葵雲、これがなにか分かったのか......?そういや俺もどっかで......
「......あ、そゆことか」
「あ、した......はろうぃん?ぱーてぃー......する?」
......明日ハロウィンパーティーする?という内容を瑠凪はメールで伝えてきた。2人は改めてそのメールの内容に顔を見合わせ、望桜は明日の予定を確認した。
「明日か......うちは休みだな」
「最近休みばっかりだね」
「オーナーが別の用事があるとかなんとか」
「......メルハニのオーナーってどんな人だっけ」
「兎逹零央って人だ。女の人なのにイケメンで、リーダーシップがあって〜......」
「兎逹......?兎逹って......あれの!?」
「あれって......?」
Melty♕HoneyCatsのオーナー·兎逹零央の名前を葵雲に教えたところ、ばっと顔を上げた。大きく目を見開いてたいそう驚いた様子を見て、望桜は頭上に疑問符を浮かべた。......あれ、とは一体......
「葵雲......?」
「いや、まあ嫌でもいつかわかるから大丈夫!!それよりハロウィンパーティーが明日あるんだって!行こうよ!!」
「あー......だな!行くか!!的李と鐘音も明日は休ませるとしよう」
「学校はともかくバイトは大丈夫なの?それで休んでも」
葵雲が軽く首を傾げて望桜に問いかけてくる。望桜はその頭を"心配するな"の意も込めてがしがしと撫でつけた。
「有給が余ってるだろ」
「あ、そっか!!にひひ〜」
「......まあ、いっか......」
「......よし、晩飯作るか」
「僕は寝よ」
「飯の時間にはちゃんと起きろよ?」
「はーいっ!!」
こうして10月31日をいつも通りの平和に過ごしたのであった。
───────────────To Be Continued──────────────
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