世界之守護者-world keeper-
土反井木冬
プロローグ
〇回目の敗北
それは、不思議な、そして妙にリアルな夢だった。
俺は床に這いつくばるようにして倒れていた。体中が痛い。手先の間隔はもう無く、視界は血で赤く染まっていた。
そんな俺を見下す男が居た。いや、人間の姿をした何か、の方が適切だろうか。とにかく、不気味な存在感を放つ者が俺の前に立っていた。右手には黒く染まった一振りの剣、左手にはくすんだ光を放つ黄金の錫杖を携え、彼の者はそこに立っていた。
「……今回のは容易い。今までと違い、力を十分に得ていないからか」
一体、何の話をしているんだ。
「いくら足搔こうと無駄だ、人間。所詮貴様は人間でしかなく、神上へと至ったこの我にかなうはずもない」
神上?いったい何なんだそれは……
意識が薄れていく。徐々に霧がかかっていく脳に、彼の者の声が響く。
「いい加減諦めるがいい。『
そして―――
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