東京ブルース
猫犬
プロローグ
世界は目まぐるしく変わりたとえその変化に追いつけなくても時は待ってくれない。
傷を癒す時間さえない者たちは、傷を見えないふりをして、ごまかして生きていく。
溢れた水は掬えない。
ついた嘘からは逃げられない。
人の変化は止められない。
完璧なものほど、一度傷つくと元に戻すことは難しい。
些細な傷も大きな影響を与えているのに、周りからは気づかれない。
人は簡単に裏切り、傷つける。
大事だから。
君だけだから。
永遠なんてないとわかっていても、僕を傷つける。
最初から信頼しなければいいのに、なんて思うけど、誰も信じないで生きていけるほど僕は強くない。
この痛みは今だけ、次第に慣れていく、そして大人になっていく。
そう信じて傷跡を見ないふりする。
『貴方のことが本当に好きなの。だからひとりにしないで。』
—だってあなた、退屈なんだもん。何考えてるかわからないし。もちろん私はそうじゃない人を求めてるけど貴方みたいな人を求めてる人もいると思うよ。
『貴方面白い感性してるのね。自分だけの世界を持ってる人、私好きよ。』
—彼、貴方よりいろんなことを知っていて、とても楽しいの。貴方ってほら周りのことあんまり興味ないじゃない。
『前までの人はすごく遊んでて、ずっと不安だったの。だから貴方と出会えて私今すごく幸せ。』
—貴方みたいな人、結婚するには本当に最高の相手だと思う。でも私はまだ遊びたい。ごめんね。
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