精霊

勝利だギューちゃん

第1話

季節は巡る。

春夏秋冬と順番に・・・


それは、追い抜くことも追い越される事もない。

そう、普通は・・・


しかし、この猛暑は秋の精霊は、寝坊しているのか?


「おい、まだかよ。早くしろよ」

夏の精霊が、急かしている。

男のようだ。


「待ってよ。女は身支度に時間がかかるの」

秋の精霊は、女性のようだ。


女性というのは、身支度に時間がかかる。

男の何倍も・・・


特に歳を重ねれば・・・


「そこから先言ったら、ただじゃおかないわよ」

女は怖い。

金も取るのか・・・


「夏も大変だな」

「ああ、おかげでいい迷惑だ」


秋の精霊よ、無駄な抵抗だ。

やめておけ。


「女は少しでも、美しくありたいの。男もそうでしょ?」

確かにそうだ。


そうなのだが・・・


秋は台風シーズン。

それを、一挙に持って来られると、被害がこうむる。


でも、台風がないと、水不足で困ってしまう。


何事もやりすぎは良くない。

ほどほどが一番だ。


「お待たせ。じゃあ行こうか」

秋の精霊の身支度が終わった。


「お待たせじゃない。もう10月半ばだ」

「大丈夫。遅れた分は、働くから」

「冬はどうする?」

「冬の精霊は、お休みと言う事で・・・」


暖冬なのは、そのせいか・・・


寒くても、暖かくても文句を言われる。

冬の精霊も、気の毒に・・・


「いいよ。俺は北海道辺りで、働くから」

気まぐれと見える。

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精霊 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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