そして私は旅に出る

Iris

終わりから始まる

執事「その部屋着みたいなカッコウでうろつくのやめませんか?」

魔王「うるさいな~どうせ誰も来ないじゃん」

執事「・・・そうですね、暇ですよね・・・何か欲しいものあります?」

魔王「・・・私を倒してくれる人」

執事「いつかきますよ、きっと」

魔王「迎えにいってみる?」

執事「は?」


魔王「来る前にやっちゃえば?」

執事「はぁ?」

魔王「なぜ私は狙われるのでしょう?」

執事「・・・え?」

魔王「身に覚えないし」

執事「立場上?」

魔王「なら逆もありだよね」

執事「遊びに行きたいだけですよね?」

魔王「さてと、誰を誘う?」

執事「人っぽい子にしてくださいね」


魔王「ところで勇者って何?」

執事「・・・勇敢な者ですかね?」

魔王「は?バカなの?」

執事「職業ではないでしょうね」

魔王「もしかして自称でいいの?youtuberと一緒じゃん」

執事「大差はなさそうですね」

魔王「え?待って、何?それに倒されたらカッコ悪くない?」

執事「・・・まぁ、ね」


執事「では強くなりそうな人の戦意喪失させればいいんですね」

魔王「ん・・・どうかな、有望な人を育て上げてここまで導いて、実は私が魔王ですって、その時の顔を拝むとか?」

執事「性格歪んでませんか?」

魔王「そう?」

執事「まぁ、世界を見て回るのもいいかもしれませんね」

魔王「でしょ」


魔王「一番近い町に行ってみる?」

執事「そうですね、そこなら安全ですしね」

魔王「安全?」

執事「武装解除しないと入れないんですよ、魔法も使えません」

魔王「はぁ?」

執事「昔、伝説クラスの武器でケンカして街を半壊させたとか、魔法使いが本気だしたら街がなくなりますよ」

魔王「なるほど」


執事「仮に何かあっても問題はないでしょうけれど」

魔王「新聞紙でも丸めて…」

執事「人をゴキブリみたいに扱わないでください」

魔王「ダメ?」

執事「新聞紙がありませんよ」

魔王「そっか、もう古代兵器になったか…じゃ雑誌かな」

執事「素手で十分でしょうね」

魔王「え~手が痛いじゃん」


魔王「あ、あの人、旅の人っぽいね」

執事「話しをきいてみましょうか?」

旅人「この国に来るのが目的です、魔王討伐?ありえませんよ」

魔王「は?」

旅人「魔王が造ったこの中立国で平和に暮らしたい、それだけですよ」

執事「ね?先代の魔王が造った国ですよ」

魔王「はぁ?ね?って」


魔王「話しが見えないんだけど」

執事「先代の魔王が平和主義者で中立国を造った」

魔王「で?」

執事「それだけですよ」

魔王「この国の外は?」

執事「人が統治している国がありますが、いろいろ問題があるみたいで…」

魔王「それっておかしくない?」

執事「いいえ、人は狂っていますからね…」


魔王「じゃ、いこうか?」

執事「やっぱり、行くんですか」


そして私は旅に出る

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

そして私は旅に出る Iris @Iris-8800

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ