第30話 裁きの天秤
お互いのにらみ合いがはじまった。
「ふっ、もはや我に勝つことはなかろう。
我の裁きの前に絶対の力はない。」
錫杖で地面をトンと叩き、槍を出した。
その槍は鐵也の右肩に向けて放たれた。
「くっ…速い」
下から槍が鐵也の心臓に向けて放たれた。
空中で鐵也が避けようとしたが時すでに遅く、槍は鐵也の心臓を貫いた。
「ふっ、やはり人間はもろい。ここまでだろう。」
「鐵也~」
薄れ行く意識の中で鐵也は「もう…ダメか…」
と呟いた。
「鐵也…鐵也」
と誰かが呼ぶ声がした。
…生死の間…
周りを見渡すと深い霧に包まれていた。
深い霧がひいていった。
「ここは?」
「久しぶりだな。鐵也」
「父ちゃん?」
「大きくなったな。そうだ。これを渡しておこう。」
「これは?」
「それがお前の覚醒の条件になる。」
と巻物を渡した。
「仲間を大切にな」
と鐵也の背中を押した。
続く
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