第29話 紫の閃光

…甲斐 とある村…



「なんで、じいちゃんを殺した?」



「決まってるだろう。弱いからだ。あの爺は弱かった。それにあの爺は最期まで俺の邪魔をしたから消したまでだ。」

雷鬼の猛攻が迫るなか、必死に受け身の態勢をとる。


「(心の声)あの日…じいちゃんが死んだって巻物を渡された日。俺はじいちゃんを…助けに行けなかった。でも、やっと見つけた。敵なんだ。ここでやらなきゃ、誰がやる?」


腕を掴まれ近くの大きな岩に投げ飛ばされた。



「義光くん。」

「よそ見していていいのか?」


凄まじい強風を使った攻撃が光秀を襲った。


「くっ…」

意識が朦朧とするなか、聞き覚えがある。



「義光!…」


「じ…じいちゃん…」


「お前ならきっと乗り越えることができる。お前はわしの最高の弟子(まご)じゃからな。」


「これで最後だ。」

と強烈な電撃を浴びせにかかった。




「やったか?」




煙が薄れはじめたとき、人影がみえた。




「な…何?」


義光の体に電流が走る。


その電流は義光の手を通り抜く前の刀へと流れていく。

「雷ノ型 終極の陣 紫電一閃」


と同時に人の領域を越えた速さで雷鬼の首を斬り裂いた。




「なぜだ。なぜ、あいつの抜刀が見えない…」


「お前の目じゃ捉えられない。」



と言い、気絶した。




…武蔵の国国境 森…



親方様の元に向かっている途中、突如罠が作動した。



「なんだ?」



「我は裁くもの。十二魔京 天秤京 竺叉(じくさ)貴様らが鬼狩りか?」




辺りを見渡しても竺叉らしい鬼はいない。




続く








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