勇者小隊12「戦後処理」


 シナイ島北部、ホッカリー砦郊外──連合軍指揮所近傍、仮設捕虜収容所。



 ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ───……



 ───……



 ピュウゥゥ~…と、吹きすさぶ風がクリスの回復したての肌にみる──

 すっかり塞がった傷も、冷たい風の前に先の戦いにおける激痛を思い出すのか、ジクジクとした幻痛を彼女に与えた。


「くそ……」


 小さく毒づく彼女の機嫌の悪さは、幻痛によるものばかりではない。

 見飽きた野営地と、

 負傷者のうめき声が充満する野戦病院のせいでもない。

 ……ましてや、冷たく湿ったシナイ島の風のせいでもなかった。


 さっきから、幾万の軍勢と数千の負傷者の呻き声など耳に入らぬほどの絶叫だ。


 絶叫───

 まさにそれだった。


 心を引き裂くような声が、薄っぺらい天幕の布などでは防げるはずもなく、

 それは、漏れに漏れている……


 何時間も───いや、何日だったかもしれないほどの……それ。


 やけに通りのよい澄んだ声は、悲鳴に代わり──

 鈴の音を転がすような心地よい声は、絶叫に震えている。


 どう聞いても女のそれは、むことを知らず……生物がこれほど長く叫び続けられるのか疑問に感じるほどだ。


「くそ……!」

 再び吐く小さな毒は、

 誰に言うでもなく野営地のさざめきに飲み込まれていく。


 クリスはざわつく心を抑え、足早に野営地を歩く。

 負傷した兵からの敬礼にも返礼をそこそこに、急いで指揮所から離れようとするが……耳に残る絶叫が、再び彼女の足をそこへ縫い留めるのだ。


 こんなことを何度も繰り返している。




 あああああああああぁぁぁ!!!!




 と、風の影響か時折大きくなる悲鳴に顔をしかめていると、

「よぉクリス? もういいのか?」


 軽い調子で話しかけてきたのは、勇者小隊の隊長であるエルランだ。

 彼の言う「もういいのか?」とは、おそらくクリスの体調のことだろう。クリスはつい先日まで重傷でせっていたのだ。


 勇者小隊に支給される潤沢な物資のお陰で一命をとりとめた彼女は、少しの間ではあるが失った血を取り戻すまで安静にしていた。


 そして、その病床で聞いた絶叫に耳をわずらわされることになっていたのだ。


 連合軍の中でも選りすぐりの最精鋭である勇者小隊には、潤沢な物資と───正確な情報(連合軍基準)が周知される。

 それゆえ、疑問に感じてその悲鳴が何であるかと問えば、すぐにわかった。


 八家将の尋問───


 そう、

 尋問だという。


「エルランか───…っ! 貴様……!」

 声に振り返るクリスの目には、

「あ゛? なんだ?」


 血染めの……


「っ……! 下履きくらい着ろッ!」

 顔を歪めて、嫌悪感丸出しで顔背けるクリス。

 振り返った彼女は、ドロドロに汚れて見えないものの隊長エルランの血に汚れた下半身をこれでもかというくらいに見せつけられてしまった。


 エルランの奴……ほぼ全裸で、真っ赤な血に汚れた衣服を肩にかけて悠々としている。


「はんっ! 汚れちまったんでな。一々気にすんな」

 貴族ゆえか、どこか羞恥心を置き去りにしているらしい。……育ちが違うのだ。

 幼少期より、着替えに湯浴ゆあみと手を尽くされている。

 それも他人から──羞恥心がなくなるのもむべなるかな。


 それ以上に戦場での極限状態ゆえに、正常な神経がマヒしているのもあるだろう。


 先日の、

 覇王軍の包囲という虎口ここうを脱してから、そう日が経っているわけではない。


「ち……」

 相手にするのも馬鹿らしいと、きびすを返そうとするクリスに、

「ゴドワンの様子はどうだ?」

 世間話のように軽く話しかける。

 まるで、自分の姿を気にしていない様子にクリスをしてことさら意識をするのも馬鹿らしくなった。


 苦々しい顔を隠すことなく向き直ると、冷え切った視線で正面から向かい合う。


「む……まだ、意識は戻らん」


 ビランチゼットの魔力砲マジックキャノンを全身に受けたゴドワンは、脱出後治療を受け回復したが、未だ意識は戻らなかった。

 体は治療できても死の淵まで落ちた意識はそう簡単には戻らないらしい。


「まいったな……アイツがいないお陰で仕事がはかどらんよ」

 ポリポリと頭をくエルランの格好は、ほとんどボロ雑巾に近い。


 ……一体何をしてきたのか、半身は真っ赤な血で汚れ切っており、筋肉の盛り上がった上半身にも細かな血がびっしりと付着している。


「仕事の心配だと!?」

 こいつ……ゴドワンを盾にしておいて言うことがそれか───



 先日の包囲では、エルラン率いる勇者小隊は覇王軍ビランチゼットの古魔導コマンドゥ部隊を撃破。将であるビランチゼットを捕獲することに成功するという大金星を挙げた。


 しかし、

 精鋭たる勇者小隊は壊滅、ファマック、ミーナ、シャンティは現在行方不明になっていた。


 オマケに、クリスは重症で最近まで病床に……ゴドワンに至っては意識不明の重体だ。

 エリクサーなどの高価な物資は惜しみなく投入されたが、やはり戦いの影響は計り知れない。


 さらに、ビランチゼットの策にはまった連合軍は壊滅的な被害を受けていた。


 覇王軍が構築していた陣地はほとんどが偽装。大半が張りぼての陣地であり、

 それから判断するに、覇王軍は要害による陣地防御を最初から想定していない事が判明した。

 覇王軍の目的は、勇者の孤立化と勇者小隊及び連合軍の先端戦力の分断であった。


 大兵力を用いることなく、機動力のある部隊を伏せておき、

 陣地攻撃に傾注している連合軍を強襲───機動打撃により突出した戦力をモグラ叩きの様に撃破する、各個撃破の構えであった。


 陣地防御に見せかけた機動防御だ。

 その采配は見事の一言! 敵ながら天晴あっぱれと言ったところか……


 実際にギルドの部隊や、教国の殉教兵は壊滅。

 続く各国の部隊も大きな被害を受けて成果を出すことができなかったらしい。


 しかしながら、分断した勇者小隊が思わぬ奮戦をし、

 覇王軍の将であるビランチゼットを捕獲したことによりミリタリーバランスが拮抗きっこう

 覇王軍は組織だった抵抗を続けていたが、一定の成果を得た連合軍は撤退を決意。

 どちらも決定打に欠ける状態で痛み分けとなった。


 ──大兵力の損耗と、北部回廊上の砦の攻略に失敗した人類。

 ──人類側の連合軍の阻止には成功したが、手の内をさらした覇王軍。


 さらに、人類側は勇者小隊が半壊の大損害。

 覇王軍は、八家将を捕虜にされるという失態を犯しての───痛み分けだ。


「エルラン、貴様ぁぁ……ファマック達を見捨てておいて、あまつさえ仕事の心配だと!?」

 ギリリと歯をきしませながら睨み付けるが、エルランは答えた様子もなく、

「爺さんなら無事だろうさ、……ファマックが殺される様なタマかよ」

 興味もないと、ファマック達の心配もしていない様だ。


「それより、ゴドワンが目を覚ましたら………んん──」

 言いかけた言葉を途中で濁らせると───


 ペッ、


 と、何か白いものを吐き出す。

 それは、クリスの足元に転がり──


「こ…………ゆ、び?」

 一目でそれらしいものだと分かったのは───……生々しくも残る小さな爪ようなものが、唾液でツヤツヤと光っていたからだ。


 その指は、何かひどく鈍い刃物で切り取られたようで……どう見ても人のソレにみえるが……。


 鈍い刃物……?


「あん?……小指───さぁ、薬指のほうだったかもな───」

 道理でしゃべり辛いと、口の中をモゴモゴとし始めるエルラン。

 それだけで、この男についている血が何をしていたのかを明確に物語っていた。


 いや……何をしていた・・・・──ではない。

 そう……悲鳴はいまだ続いている───。


「……貴様ぁ。尋問───なのだろう?」

尋問・・さ」

 それがどうした? と悪びれる様子もない。


「ただまぁ、少々強情でな、色々お話し・・・苛烈かれつにならざるを得ない。問題ねぇだろ?」

 エルランの言う、苛烈がどれほどの規模かはしれないが、今も続く絶叫。そして、途切れぬソレ。


「ならこの声はなんだ! 貴様のやっていることはっ!!」


 別に捕虜の扱いなど、どこも似たようなものだ。

 覇王軍との戦争以前も人間どうしで戦うこともあったし、その過程で捕虜が生まれ「尋問」することもあるだろう。


 捕虜の扱いなど、ロクでもない……。

 良くて奴隷。

 悪ければ、スープの具になるだけ───


「はぁ? そりゃ、お前……憤立いきりたつ兵の相手をしているんだろう? 今は、な」

 もちろん俺が一番に頂いたが、と。余計な一言は忘れない。


「馬鹿な……兵が何万人いると思っている!? 奴は貴重な情報源だろうが! 殺す気か!?」


 クリスは情報源としてのビランチゼットの扱いに目をく。エルランのやっていることはどう考えても連合軍の益にはならない。

 一時の鬱憤うっぷんを晴らしたとて、覇王は痛痒つうようも感じないだろう。それが八家将であってもだ。


「どうでもいいさ……ありゃ、使えないな」

「なに!?」

 この男本気か? とクリスは驚きと呆れの入り交じる顔で思わずまじまじと見てしまう。


「「なに?」じゃねぇよ。ありゃ呪い付きだ」

「『呪い』……?」

「そうだ。情報統制の強烈なやつらしい」


 エルランいわく、

 彼を含め、連合軍の首脳は尋問により覇王軍の陣容、弱点、総数など聞き出せることは全て聞き出すつもりでいた。

 しかし、拘束したビランチゼットはかたくなに口を開かない。


 その態度を良しとしないエルラン達は、「お話し・・・」をしたわけだ。

 どんな人間でも大人しく言う事を聞くソレで、だ。


「だが、どれだけぶちのめしても奴は口を割らない。普通なら耐えきれるはずもないからな」

 ニィと嫌な笑みを浮かべると、

「魔導士どもに調べさせてみたら───まぁー、出るわ出るわ。覇王軍の呪印のそれがたくさんと」


 呪印は呪いを施すための、入れ墨等の一種だ。


 対象にかせまたは、加護を及ぼすもので、基本的に呪印が傷つかないかぎり効力は途切れない。

 加護を与えるならばさぞ使い勝手が良いとおもうだろうが、呪印はそれだけで魔力を消耗する。


 下手な呪印を施してしまえば、通常の自然回復量を上回った場合に……最悪魔力が枯渇して死ぬ。


 それゆえ、魔力の自然回復量と効果に折り合いを付けながら施すのが筋だ。そのため、魔力に乏しいものは呪印そのものを刻むことができない。


 だが、くだんのビランチゼットには呪印の相当強力なものを刻まれているらしい。

 情報統制の部分も細部に渡り、普段の会話はともかく、機密に関することでは話せないところは話せないように厳密に指定されているらしい。

 ───ハッキリ言って、ここまで細かい技術は人類には無理だった。


「ならば。呪印を落とせばいいだろう? お前なら皮ごとぎそうだ」

「剥いださ」

 自身の肩にかかっているドロドロの衣服をずらすと、その下に隠れていた───……血濡れの……………か、顔。


「無駄だったがな……俺たちの技術じゃ考えられないが、表面の入れ墨はタダの飾りだ。刻んだ時点で既に解除不可能らしい」


「鬼畜が……」


 思わず「うっ」と口を押えたクリス。戦場で散々血なまぐさい様を見せられているというのに、思わず目をそむけたくなる──それ。


「いるか?」

「ふざけるな!」


 これ以上付き合っていられんとばかりクリスはきびすを返し野営地の奥へを去る。

 悲鳴が聞こえなくなるほど距離をとるのには、かなりの移動を必要とした。……それほどの絶叫だ───


 くそ……!

 何だこの忌々しさは!


 引き分けの戦。

 だが、

 勇者小隊単独で言えば、八家将の生け捕りという連合軍「初」の大金星だが……


「くっ──がぁぁっぁ!!」

 ──バッカーン!

 モヤモヤとした思いを胸に、クリスは八つ当たり気味に空の桶を蹴り飛ばした。



 はー……

 はー……



 荒い息をつきつつ、背後でエルランの粘つく笑みを見たような気がしてちっとも気分は晴れない。

 確かに……

 確かに、憎き敵───人類の天敵たる魔族の集団……その覇王軍の将だ。

 

 だが、

 だからと言って、意味のない甚振いたぶりを放置していていいのか?


 ……いや、


 ───わかっている、偽善だと。


 これまでの進軍経路にあった各都市も人類は略奪してきた。あるいは覇王軍も焦土作戦を実施し、男は軍夫、女は奴隷に……

 また、労働にも性にも使えないものは───食糧難の第二戦級部隊で、スープの具になったと聞く……


 だから、ビランチゼットが兵に下げ渡されるのも理解できなくもない。

 それほどの脅威と被害を見せつけたのだ。


 恐怖の代名詞、八家将──


 それが、力なく転がっているのだ。兵にせよ、エルランにせよ踏みつけたくなるだろうさ。


 たが、


 だがそれでも!!!



「くそぉぉぉぉ!!」


 ガンガンガン!! と、鞘をいたままの剣で地面を何度も殴りつける。

 胸に溜まったこのムカつきが少しでも晴れる様にと───



 がぁぁぁああああ!!



 ひとしきり、殴り続ければ本少し心が落ち着いた。

 それは鬱憤うっぷんが晴れたというよりも、ただ軽い疲労を感じたためだろう。クリスとて体調は万全ではない。


「ゴドワンを見舞うか……」


 このクソのような空間において、クリスの居場所はそこしかなかった。

 豪奢な天幕も準備されているし、自国の軍に顔を出せばチヤホヤされるのだろうが……


 彼女の望みはそれではない。


 あの厳めしい顔をした武人が目を覚ましてくれれば、きっとクリスの気持ちを共有してくれるだろう。

 勇者小隊で、唯一とも言える…それなりに気の合う人間だ。彼が……彼が───目を覚ませば。


 苦々しい感情と、ムカつく胸を押さえてクリスはゴドワンのいる医療天幕へ向かう。

 その足取りは、人類最強の勇者小隊のそれではなく───…悩める妙齢の女性にしか見えなかった。



「……ゴドワン?」



 クリスが医療天幕に入ると、血の腐った匂いが充満していた。

 冷える時期とは言え、血は本当にすぐ腐る。……その匂いがまた酷いのだ。

 少量なら固まる血も……絶えずあふれ続けていればこうなるのもむべなるかな・・・・・・


 天幕内にいた治療士がクリスに気付いて、目を伏せて目礼する。

 クリスも神国流の礼で返し、すぐに治療士を意識の隅に追いやった。


 ゴドワンもクリスも、元々の傷はほとんど回復しているのだ。治療士の役目はすでにないのだが、貴重な勇者小隊の戦力のことだ。

 万が一という事もあってはならぬと……最前線では望むべくもない好待遇。


 彼の役目は、時折開く傷を治療する程度なのだから、楽な任務だろう。他の治療士系の兵などは戦後処理に走り回っている。


「まだ、目が覚めんか……」


 凄まじい重傷を負ったにしては、ゴドワンの姿はほぼ完全に治療されている。

 魔力砲マジックキャノンの余波で目も髪も蒸発していたはずだが、それすら回復していた。

 見た目は完全に元通りだが、意識は深い底へと沈んでいるらしい。


「……聞いてくれゴドワン。私はな───」


 訥々とつとつと戦争についての虚しさや悲惨さを語るクリス。ともすれば体制批判とも問われそうな話だ。

 治療士は驚いた顔をしていたが、黙って天幕を出る気遣いを見せた。


 どの道、勇者小隊のメンバーが何を言っても、連合軍側から排除されることは無い。それができるのは隊長のエルランか、勇者『エリン』くらいのもの。

 もっとも、エリンから誰かを追い出せなどという話はない。エルランとてそうだ。

 誰かを排除したのは最初で最後───バズゥ・ハイデマンその人のみ。


「やはり、バズゥ殿を排除したのは悪手であったようだ。……ゴドワンは以前から彼を評価していたな──私にはさっぱりわからなかったが」

 戦争とは武と武がぶつかり合うもの。こざかしい手など使わずとも強力な個人がいればそれで勝てるのだ。


 ───そう思っていた。


 だが実際はどうだ?

 最強の勇者をもってしても戦争は終わらず、人類の損害は増すばかり。

 覇王軍とて常勝ではないが、

 堅実な戦いを続け、連合軍の動きは鈍りに鈍っている。


 編成された勇者軍も勇者小隊も壊滅的なダメージを受けて尚……覇王軍を討つための足掛かりであるシナイ島の攻略すらできない。


 仮に、シナイ島を攻略したとしてその先……北の大陸に攻め上がり、奥地の覇王軍の拠点を討つまでにどれほどの時間と兵を浪費するか───いや、そも・・可能なのか。


 その点、バズゥ・ハイデマンという人種は異色であった。

 本来の彼は、ただの勇者のストッパーとも、世話係ともつかない立ち位置であったのだが……──彼はできること・・・・・をした。


 そう、やっていたのだ。


 斥候だけでなく、後方連絡、先行安全確認、警戒、

 ……戦いの外の任務をだ。


 考えられないことだ。


 なにが、と?

 行動を振り返れば分かる話。


 勇者軍も勇者小隊も───先端戦力も先端、勇者小隊は常に先頭にいた。

 そして、バズゥ・ハイデマンは更にその先頭・・・・・・にいたのだ。

 ……考えられない忍耐と執念。


 なるほど、

 覇王軍に容易に奇襲をうけたり、

 敵の策を見抜けぬのもむべなるかな。


 ごり押し前提で戦っていたとはいえ、その実バズゥ・ハイデマンのもたらした情報が適確だったからなのか……


 ゴドワンの言わんとすることは分かる。


 ………


 もはや、勇者は必要ないと───






「戦い方が変わるのか……」






 ジッと、ゴドワンの寝顔を眺めながら…色気など微塵もないことを考えていた。


 人類の──…連合軍の変革期。

 「勇者はいらない」と……そんな時代が来る。


 ゴドワンが目を覚ました時、それは具体的に動き出すのだろう。

 エルランの戦闘詳報に添付する、ゴドワンの補足資料。

 それが重要な戦力情報であると既に誰もが知っている。

 ───エルランの自意識過剰な劇作本など誰も求めていないのだ。


 正確な情報と、

 的確な判断と、

 事後への反映、


 それが最も重要である。


「目を覚ませゴドワン……」

 我らは勝たねばならんのだ。あの甚振いたぶられるビランチゼットを見ても分かる。


 ……負けた側は悲惨を極めるだろう。




 そうだ───勝たねばならんのだ。




 天幕の天井をみつめて、クリスは独りごちた。




 その時、


 ワァァァァッァァァッァ!!!

 ワァァァァァッァァァァッァ!!!


 と、大きな歓声が上がる。







 

 いつものこと…………

 彼の者来たれりと───




─── あとがき ───


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