『ノータルランゴキ賞 授賞式』

司会 → はとさぶろ→ やましんに個別同時通訳(以下同様)



『みなさん。本日は、ようこそ。いよいよ、《ノータルランゴキ賞》の、授賞式ですよ。


 本日の素晴らしい、ゲストです。


 はい! やましんさん!』



会衆

    

『うわ~~~。ぱちぱちぱち。かえれ~~~~。』




    (やましん、立ち上がって会釈する)



司会


『ありがとうございます。さらに、特別ゲスト、ノータルランゴキ賞を主宰する、『ごきヨーロッパ委員会ノータルランゴキ賞委員長』、ハロルド・ブラット・ゴキ氏であります。』



会衆


『うわ~~~~~~~~~!』



司会


『来賓として、ごき大将においでいただいております。』



会衆


『うわ~~~~~~~~~! 帰れ~~~~~!!』



司会


『ありがとうございます。なお、ゴキ以外の方に誤解がないようご説明いたしますが『帰れ~~~~』は、ごきの用語で、『万歳』に近いモノであります。では、ハロルド・ブラット委員長より、授賞理由についてのコメントがあります。欧州ゴキ語・同時通訳は、ゴキ連隊、ごきまる中佐であります。』



委員長


 『ア、ハオウ. ジャパニ・ゴキ、ウンダ, ベルイ、ゴヅ、エベリ・・・・・・』


 『みなさま、こんにちは、日本のごきのみなさま、またすべての生き物のみなさま、わたくしは、ここに、みなさまとともに、新たな受賞者を讃えることができることを、たいへん、しあわせに思います・・・・・』



 ねこママ


 『やましんさん、英語わかるの?』


 

 やましん


 『わかるわけないだろ。それに、こりゃあ、聞こえないし。もっとも、ふだんでも、ハトサブロの通訳がないと、わからないものな。あ、ここでは、言っちゃいけないかな。』



 はとさぶろ


  『ども。』


 

 ねこママ


  『にゃんこ。じゃ、なんで、あたしの言葉が分かるの?』



 やましん


  『しりませんよ。おかしな世界だもの。』


 ねこママ


  『にゃんこ。まあね。』



  通訳 → はとさぶろ → やましん


 『このように、わが、ごき族と人類は、犬猿の仲と言われるのであります。しかるに、この地域だけは、多くの生物とともに、人間が、比較的、仲良く暮らして居るのでありまして、しかも、その意思疎通に、『おせんべい』という画期的な手段を確立したのでありますが、まさに、これは、誰も思いつかなかった、手法であり、高く評価されるとして、ゴキ大将配下の、ごき一等兵殿が、今回、選ばれたのであります。人間側も、わなを仕掛け、その狩猟本能を発揮し、またごきたちは、それをみごとに、通過することにより、食料を得ることに全力を傾けることで、さらに能力が高まり、やがて、全世界の支配が達成されるものであります。』



  ねこママ


 『なんか、すごいこと、言ってるにゃんこ。』



 やましん


 『はあ。まあ、人類滅んでも、ゴキは滅ばずとも言われ、一方で、人類が滅亡すれば、ごきも、とも倒れする可能性が高いとも言われる。』


 

  ねこママ


 『そうにゃん。でも、その時は、意外とすぐきそうにゃん。』



 やましん


  『そか?』


 

 司会者


  『では、この画期的な会話術の相手方、やましんさんに、ご登場いただきましょう。』


 

 会衆


  『おわ~~~~~~。やましん、かえれ~~~~~~!』



 やましん


   『な、なんだあ~~~~?』



  会衆


   『かえれ! かえれ! かえれ!  かえれ!』



  やましん


    『帰ろうかなあ。』



 ねこママ  


     『まあまあ、はとさん、あんたも。』



     (やましんとはとさぶろ、舞台に立つ)



 司会


   『では、実際に、コミュニケーションを、やって、いただきましょう。』




 やましん


    『え? げ。』



    ごき一等兵が、仲間と共に、巨大なおせんべを持って登場。



 やましん


 『こりゃあ、また、でっかいな。今まで見た中で、成田山で買ったのと同じくらいでかいぞ。ちまり、最大の敬意を払う訳だ、で、その、お礼かな。』



 司会 →はとさぶろ


 『やましんさん、いかがですか。』


 

 やましん → はとさぶろ


 『ああ、つまりこう言ってるんだな。最高にありがとう。これがお礼です。とね。』



 ごき一等兵たち


  『おあわ~~~~~~。正解~~~~~~!!』


 

 会衆たち


  『おわ~~~~~~~~。 すごい。すごい。』



 委員長


  『オウ、ジ、エグレ、オンレ、ピッタ、・・・・・・・・・・・!』


 通訳『これは、すばらしい。このピッザ、いや、もとい、おせんべで、一発でわかるとは、奇跡です。すばらしい。』


  

  会衆


  『うを~~~~~~~~!!  やましん、かえれ~~~。かえれ~~~~。』



      (やましん、はとさぶろ。席に帰る)



 え。このあとは、もう、ごちゃごちゃの、あたり一面、ごきの山、パーティーになったので、やましんと、はとさぶろと、ねこママは、ご遠慮して、退席した。かなり、大量の食糧があった。




      (ねこママのカフェ)  ☕



はとさぶろ


 『やれやれですね。最後は、さすがに、付き合えなかったす。やましんさんちの地下には、ごきさんが、すっごいかず、いるんですね。』


やましん


 『ぐあ~~~~。まいったなあ、・・・あの、食料は、ママが、調達したの?』


ねこママ


 『まさか。やましんとこの、台所やあちこちの部屋から。』


やましん


 『ぎえ!』


ねこママ


 『すこし、お掃除が必要にゃんこ。万年布団の下も、食べかすだらけにゃんこ。』


やましん


 『はい・・・・なんか、すごく、思い当たります。』


はとさぶろ


 『まあ、この世は、すべて、回るのす。それで、よいぽっぽ。』



(ごき大将が、疲れ果てたように、カウンターに現れて、すぐに、寝たのである。)



 そうして、やましんは、知らなかったが、この時間、宇宙ゴキ軍団が、いよいよ、本格的地球侵略の火ぶたを、またまた、切ったのである。    


 やましんちの上空には、あちこち、赤く燃え上がった、建物などの炎が、きらめくように、反射していたんである。

  


    地球人類よ、どうなるのか?




      ******************   おしまい


         あの、続いてほしいですか?もう、飽きたですよね。はい。


                              おしまい


   



  

 


   

 



          

 

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『小さなお話し』 その16 やましん(テンパー) @yamashin-2

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