第87話ーーもしかしてふりだしに戻りますか?
「じゃあ、さっき使えなかった新しいスキルでもいいですか?」
「あぁ、そうだな。うむ、やってみろ」
わざわざ確認をとるのには訳がある。
ずっと分身がスキルを放ち続けた事により、新たなスキルが幾つも生えたのだが……とんでもないものがあったのだ。
◆
火遁(MAX)……火球(MAX)―火の玉を前方に10個同時に放出できる。
……火矢(MAX)―火の矢を前方に10個同時に放出出来る。
……炎雨(MAX)―前方に炎を雨のように降らせる。
……炎壁(MAX)―指定の場所に炎の壁を100分間作る。
……炎蛇(MAX)―炎で出来た蛇。対象を追って攻撃する。1,000m以内。10匹。
……炎爆(MAX)―炎の球を前方に放出し爆発させる。同時発射数10
……炎地(MAX)―指定の場所の地面を炎に変える。100m四方
……獄炎(MAX)―着弾した相手の魔力・生命力を糧とし、それらが尽きるまで消えない炎。最大1発の炎の玉を前方に打ち出す。1km以内
……
……炎獄―己の見える範囲の全てを炎だけで形成された地獄へと変える。解く時は、九字を切った後に「解」を唱える。
闇遁(Lv9)……影潜り(MAX)―330分間影の中に入る事ができる。対象が動いた場合は自動的に動く。他の影と重なった場合、移動出来る。
……影操身の術(MAX)―入っている生物の影の中から、その者を操る事が出来る。連続使用時間150分
……影牢の術(MAX)―影内に居る対象を、影で出来た魔法の牢に60分間閉じ込める。
……影蛇の術(MAX)―自分の影から蛇を作り、対象を追って行き巻き付き影を発生させる。また身体を這い締め付ける。10匹。
……影沼の術(MAX)―自分の影と繋がっている影に対象がいる場合、影へと飲み込む事が可能。同時対象4つまで。(影内は空気がない為に生物は窒息する)排出時は任意のタイミングで行える。
……影狼の術(MAX)―自身への敵意ある不意打ちなどから守る狼を、自分の影内に潜ませる事が出来る。(物理攻撃のみ)10匹。
……
……闇玉の術(Lv6)―前方に闇の玉を1つ放出する。触れた魔力を持つ生命は吸い込まれ消える。600m以内。
……闇纏の術(Lv4)―己の身を闇へと変える。連続時間40秒
水遁(Lv8)……水球(MAX)―前方に水球を10個放出出来る。
……水矢(MAX)―前方に水矢を10個放出出来る。
……霧雨(MAX)―指定した場所に霧を発現させ、視界を悪くする。100m四方
……氷壁(MAX)―指定の場所に氷の壁を100分間作る。
……
……
……
……
風遁(Lv2)……
……
土遁……穴掘り(Lv6)―任意の場所に穴を掘る。600m以内。6m×6m×6m
……
口寄せ(Lv6)……鼠(MAX)―鼠を10匹魔力によって召喚できる。鼠は魔力で出来ている為に死んでも再度の召喚が可能。念話により意思疎通が可能。攻撃は不可能。存在時間は10時間。
……鴉(MAX)―鴉を10羽魔力によって召喚できる。鴉は魔力によって出来ている為に死んでも再度の召喚が可能。念話により意思疎通が可能。攻撃可能。存在時間は10時間。
……虎(MAX)―虎を10頭魔力によって召喚できる。虎は魔力によって出来ている為に死んでも再度の召喚が可能。念話により意思疎通が可能。攻撃可能。存在時間は10時間。
……蟹(MAX)―蟹を10杯魔力によって召喚出来る。蟹は魔力によって出来ている為に死んでも再度の召喚が可能。存在時間は10時間。攻撃可能(口から泡を出し、相手の魔法攻撃及び物理攻撃力を減衰させる)
……(大鷲MAX)……大鷲を1羽魔力によって召喚出来る。大鷲は魔力によって出来ている為に死んでも再度の召喚が可能。存在時間は10時間。攻撃可能。羽ばたきによる風魔法を使用出来る。
……(狐Lv9)……妖狐を魔力により召喚出来る。
分身(Lv56)……分身(Lv56)―魔力で出来た分身を56体作る事が可能。命令をこなす事が出来る。行動により見聞きした物や経験を共有出来る。話す事も可能。存在時間は56時間。
相位転身(MAX)……相位転身(MAX)―自身と分身の位置を入れ替わる事が出来る。対象分身を目視するか思い浮かべ、九字印の臨の手印を行う事により可能。
刀剣術(Lv86)……刀剣を扱う事が出来る。背面に2本装備可能。「抜刀」「納刀」の発動句により手に刀を装備出来る。刀剣での攻撃の際威力があがる。
二刀流術(MAX)……二刀流での行動が出来る。
手裏剣術(MAX)……手裏剣を投げる事が出来る。
格闘術(MAX)……格闘による攻撃の際、攻撃力が上がる。
飛斬術(MAX)……斬撃による衝撃を飛ばす事が出来る。
跳躍(Lv44)……身体能力+44mの高さまで跳躍距離が伸びる。
空歩(MAX)……跳躍時に空中で10歩歩ける。
浮遊術(MAX)……30分間宙に浮く事が可能。
壁面歩行(MAX)……180度の壁を床と同じように歩ける。
水面歩行(Lv9)……90分間水面を走る事が出来る。
毒耐性(MAX)……毒に耐性がある。
麻痺耐性(MAX)……麻痺に耐性がある。
石化耐性(MAX)……石化に耐性がある。
睡眠耐性(MAX)……睡眠魔法に耐性がある。
魅了耐性(Lv5)……魅了魔法に耐性がある。
火炎耐性(MAX)……火炎による攻撃を80%防ぐ
九字印術(Lv37)……九字印をきる事で、集中力を高める。
……九字印をきる事で、自己治癒力を高め、傷を治す事が出来る。
……九字印をきる事で、体内魔力を回復する。
鑑定阻害(MAX)……鑑定スキル・魔法のレベル10以下を阻害する。
◆
うん、改めて見てみてもヤバい。
炎纏・闇纏は不思議な事に……まぁ今更何が不思議って話でもあるんだけど、身体が言葉通り炎や闇に変わる。これの何がヤバいかって言えば、まず本体でしか術を発動出来ないところだ、これだけで術のヤバさがわかると思う。そして何よりも発動中はほぼ無敵状態になるという事だろう。斬られても何をされてもダメージは一切受けない。ただ続けて発動は不可能のようで、炎纏を2連続どころか闇纏も出来ない。どうやら(纏)が付くスキルは同じモノ扱いのようだ。発動後、ちょうど1時間後に再度可能となった。
そして闇玉の術もおかしい。獄炎の闇遁バージョンかと思ったが違った、吸い込んだら出て来ない……まるでブラックホール?そんな感じだ。消えてなくなるのだ、闇玉にほんの少し触れただけで……ただこれもとてもゆっくりのスピードで飛んで行くので、当たりにくいのが難点といったところだろうか。
水蛇はまぁ炎蛇の水版なのだが、ただ水源がないといけないのが難点だ。これは水球・水矢があっての事だろう。ただいやらしい事に頭付近……つまり呼吸器辺りに飛んで行くのだ。これは分身同士の紅白戦をやってみて判明した事だ。
氷蛇は当たった瞬間にその箇所を凍らせるのは厄介だ。だいたい直径10cmほどの範囲を凍らせるのだが、炎の近くに居るとか、ゆっくり湯水を掛けないと治らない。だがもしそこに衝撃が当たると砕け散る……つまり欠損となるのだ。
他にも色々出てきたが、風遁の2つや土遁の穴掘りにはほっとした感がある。その名の通り穴を掘るだけのスキル。まあ色々有用ではあるんだろうけど、とても安心したのは否めない。ただ穴を掘るというよりも、無理矢理圧縮してスペースを空けているような感じではあるのだが。
そして何よりもヤバいのが炎獄だ。見える範囲というのがどこまでの事を指すのか?そしてハッキリと出ている『地獄』と出ているヤバさ。下手をすると階層全てがその範囲に当たりそうで、試してみる事なんて出来なかった。炎だけで形成された地獄って……怖い、怖すぎる!!
だから試す事が出来るのは、ボス部屋ぐらいしかないと思うんだよね。入ってきた扉もさっき閉まったようだし。
「では先に大鷲を出せ、我らはそれに乗って眺めている」
「はい、召喚大鷲」
クソ忍者たちが先輩と共に大鷲に乗り込み、遥か上の天井付近にまで上がったのを見届けてから10mほど進むと、モンスターたちも動き出したので発動してみよう。
「炎獄!」
おおうっ!
これはヤバい……うん。
前後左右全ての床がマグマ滾る、まるで火山の噴火口のような世界が広がっている。ボコボコと波打ち、所々から炎が吹き出している。
確かに地獄だこれは。
対象モンスターは……あぁ、全てがもれなく炎に呑まれて身体を炭に変え、そして光へと変わっていっているようだ。
俺は熱くないようだ、まぁスキル発動者には害はないよね……良かった。
ってきっと先輩たちも熱いはずだ!早く解除しないと!!
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!解!!」
一瞬にして元に戻った……
まるで何もないようだったかのように戻った。
エンペラーだかガードたちは……うん、元には戻らないようだ。
「横川……ちょっと酷いな」
ええっ!?
クソ忍者たちまでが引いてる!?
先輩は……うん、引き攣っているような顔をしている。
「熱は100m上空にも拘わらず、十二分に伝わってきたぞ」
「なんだいアレは……」
「小僧は熱くないようじゃったの」
「あぁ〜はい、全く熱くなかったです」
「えげつないのう」
「……」
何故にこんなに引かれているどころか、若干責められているような感じなの?
「横川よ、これは封印だ」
「……はい」
だよね。
うん、ボス部屋に入る前に試してみなくて良かったよ。危うく東さんたちどころか、先輩まで燃やしちゃうとこだもんね。クソ忍者たちは……何だかんだ言って、無事にいそうな気がする。
「ほれドロップを拾ってこい。宝箱も出ているようだぞ、2回連続とは運がいいな」
あっ、本当だっ!!
でも前のよりも少し小さいようだ……高さ30cm・幅30cm・奥行20cmほどの物だ。
恐る恐る中身を見てみるとそこには、革で出来た袋……昔の水筒みたいな物があった。
他のドロップは6つほどの岩の塊……何かの原石かな?と、魔晶石と金の斧だった。
「これでした」
「えっと……ダイヤモンドとサファイア、ルビーの原石がそれぞれ2つづつみたいです。あと斧はそのまま金の斧のようですね。純金みたいです。それでその革の袋なんですけど、ワインの袋らしいです。尽きる事なく出てくるそうです」
先輩の鑑定結果は、思った通り宝石の原石だったようだ。宝石とかよくわからないけど、一体幾らくらいになる物なのだろうか。
あと金の斧はそのまんまだったな……金ってグラム取引されるんだっけ?
問題はワインの出てくる袋だ、果たして飲める物なのか?そしてアジはどうなんだろうか?
うん、全部要相談だね。
先輩と鬼畜治療師は原石に目を輝かせているし、クソ忍者とハゲヤクザはワインの袋について、まるで舌なめずりでもしているかのような感じで見ているし。
そんな事より、先輩が少し俺から離れるようになった事が気になるんですけど!?
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