第68話ーー水浴び出来るようになりました

 ゾンビ地獄は臭い!!

 鼻が曲がるっ!


 延々と分身と共に火遁撃ちまくり、魔力の放出のし過ぎで身体がだるくなってきたら物理オンリーにして、また火遁撃ちまくりの繰り返し。

 

 俺思ったんだよね、分身の影に潜っていれば休んでいられるんじゃないかって、あわよくば寝ている事も可能なんじゃないかって事にさ。

 まぁやってない……いや、やれてないんだけどね。だってクソ忍者がしょっちゅう見に来るし、俺と分身の顔をしっかりと見て、「隠れてサボってはいないな」とか言うから……そう、俺が思い付いた可能性なんて、とっくにクソ忍者も思い付いていたようだ。

 あともう1つ思い付いたのが、分身に分身をさせるって事だ、そうすれば倍々になっていくから楽になるかな〜なんてね。だけど無理だった、そんなに甘くはないらしい。ちなみに召喚獣も本体しか召喚出来ない。


炎雨えんう炎壁えんへき!」


 分身と横一列になって新たに生えたスキルも使用しながら進む。分身一体はドロップ拾い用、トラは前線と俺の後方守備に配置、鴉は上空からミサイルのように落ちて討伐だ。

 不思議な事に、廃墟のような洋館は燃えない。正確に言うと、燃えて灰にはなるのだが直ぐに修復されて元の廃墟へと戻るのだ。だからそこら中が燃え盛り熱くてたまらないって事にはならない。


 未だに数は1,000に至ってない。現在の階層は64、65まで行ってから戻って来ている最中だ。


 それでもクソ忍者の言う通り、スキル各種のレベルは軒並み上がってはいる。


 ◆

 横川一太 Age16

 job―[NlNJA Lv3]

 体力―AAA

 魔力―AAA

 力 ―AAA

 知力―A

 器用―AAA

 敏捷―AAA

 精神―AAA

 ◆

 固有スキル―火遁(Lv4)・闇遁(Lv4)・水遁(Lv1)・口寄せ(Lv3)・分身(Lv13)・相位転身(Lv2)・刀剣術(Lv26)・二刀流術(MAX)・飛斬術(Lv3)・手裏剣術(MAX)・格闘術(Lv4)・跳躍(Lv17)・空歩(MAX)・浮遊術(Lv5)・壁面歩行(Lv8)・水面歩行(Lv2)・毒耐性(MAX)・麻痺耐性(MAX)・石化耐性(MAX)・睡眠魔法耐性(MAX)・魅了耐性(Lv3)・九字印術(Lv14)・鑑定阻害(Lv9)

 ◆

 火遁(Lv4)……火球(MAX)―火の玉を前方に10個同時に放出できる。

 ……火矢(MAX)―火の矢を前方に10個同時に放出出来る。

 ……炎雨(Lv7)―前方に炎を雨のように降らせる。

 ……炎壁(Lv3)―指定の場所に炎の壁を15分間作る。

 ……炎蛇(Lv2)―炎で出来た蛇。対象を追って攻撃する。200m以内。2匹。

 闇遁(Lv3)……影潜り(MAX)―330分間影の中に入る事ができる。対象が動いた場合は自動的に動く。他の影と重なった場合、移動出来る。

 ……影操身の術(Lv5)―入っている生物の影の中から、その者を操る事が出来る。連続使用時間75分

 ……影牢の術(Lv6)―影内に居る対象を、影で出来た魔法の牢に30分間閉じ込める。

 ……影蛇の術(Lv3)―自分の影から蛇を作り、対象を追って行き巻き付き影を発生させる。また身体を這い締め付ける。3匹。

 水遁(Lv1)……水球(Lv3)―前方に水球を3個放出出来る。

 口寄せ(Lv3)……鼠(MAX)―鼠を10匹魔力によって召喚できる。鼠は魔力で出来ている為に死んでも再度の召喚が可能。念話により意思疎通が可能。攻撃は不可能。存在時間は10時間。

 ……鴉(MAX)―鴉を10羽魔力によって召喚できる。鴉は魔力によって出来ている為に死んでも再度の召喚が可能。念話により意思疎通が可能。攻撃可能。存在時間は10時間。

 ……虎(Lv5)―虎を5頭魔力によって召喚できる。虎は魔力によって出来ている為に死んでも再度の召喚が可能。念話により意思疎通が可能。攻撃可能。存在時間は5時間。

 分身(Lv15)……分身(Lv15)―魔力で出来た分身を15体作る事が可能。命令をこなす事が出来る。行動により見聞きした物や経験を共有出来る。話す事も可能。存在時間は15時間。

 相位転身(Lv5)……相位転身(Lv5)―自身と分身の位置を入れ替わる事が出来る。対象分身を目視するか思い浮かべ、九字印の臨の手印を行う事により可能。1km未満。

 刀剣術(Lv27)……刀を扱う事が出来る。背面に2本装備可能。「抜刀」「納刀」の発動句により手に刀を装備出来る。

 二刀流術(MAX)……二刀流での行動が出来る。

 手裏剣術(MAX)……手裏剣を投げる事が出来る。

 格闘術(Lv4)……格闘による攻撃の際、攻撃力が上がる。

 飛斬術(Lv4)……斬撃による衝撃を飛ばす事が出来る。

 跳躍(Lv17)……身体能力+17mの高さまで跳躍距離が伸びる。

 空歩(MAX)……跳躍時に空中で10歩歩ける。

 浮遊術(Lv5)……15分間宙に浮く事が可能。

 壁面歩行(Lv8)……160度の壁を床と同じように歩ける。

 水面歩行(Lv2)……20分間水面を走る事が出来る。

 毒耐性(MAX)……毒に耐性がある。

 麻痺耐性(MAX)……麻痺に耐性がある。

 石化耐性(MAX)……石化に耐性がある。

 睡眠耐性(MAX)……睡眠魔法に耐性がある。

 魅了耐性(Lv3)……魅了魔法に耐性がある。

 九字印術(Lv14)……九字印をきる事で、集中力を高める。

 ……九字印をきる事で、自己治癒力を高め、傷を治す事が出来る。

 ……九字印をきる事で、体内魔力を回復する。

 鑑定阻害(Lv9)……鑑定スキル・魔法のレベル9以下を阻害する。

 ◆


 炎壁は指定した場所に炎で出来た壁を出現させるのだが、その場所は直線も円もどちらでも可能だった、つまり囲い込む事が可能って事だ。高さ約15m厚さは約1mで、距離はレベルが上がるに従って伸びていくようだ。

 炎蛇はホーミング機能が付いた火矢って感じだ。逃げ惑う相手には有効だろう。


 影蛇は最初理解出来なかったけど、影があまりないところだと有効だ。この後に影牢や操身をやればいいからね……ってか、これは2つより先にくるべきだと思うんだけどね。まぁ締め付けだけでも結構な攻撃力のようで、大きなスケルトンの足元から這い上がっていくのを見ていたけど、全て折ってたし影だから剥がしたり出来ないみたいだ。


 浮遊術のレベルが上がったんだが、空歩で移動して浮遊術でリセットしてからまた空歩という、延々と空を飛び続ける事は不可能だった。どうやら浮遊術にはクールタイムがあるらしく、その時間はレベルが上がっても約10分間ほどだ。もし出来ていたらかなり面白い事になっていたんだけど残念だ。

 まぁそうなると、壁面走行とか水面走行の意味もなくなってしまうから、納得といえば納得なんだけどね。


 そして待望の格闘術が生えました。

 うん、そりゃああれだけ素手でロックゴーレムを相手取っていたら生えるよね、生えなきゃおかしい。

 あと九字印術に魔力回復なんて技が出てきてしまったよ……これは嬉しいような、悲しいような……


 色々上がったけど、俺としては水遁の存在が大きい。術自体は火球の水版だから、特に目立つ物でもないんだけど、それよりもこのゾンビ臭が身体に染み付いているようで嫌だったのが、洗い流せる幸せ!


 おっ、あとちょうど100個の魔晶石で1,000へとようやく到達するらしい。

 それなのに、これだけ倒し続けても未だにスクロールなんて落ちやしないんですけど……

 これまでのドロップは、魔晶石以外にボロボロの武器防具、骨、ポーション、腐ったような肉だけだ。

 1番よく落ちるのは腐ったような肉や、人やら獣、モンスターの骨だ。部位も様々だが、全く買い取られないのでその場に放置。ひと昔前は研究者が買い取っていたらしいけど、今や需要なんて無くてゴミでしかない。

 次によく落ちるのはボロボロでも武器防具は買い取りがある、安いけどね。鋳潰して再利用したりするらしい。

 ポーションはたまーに出るくらいだ。協会情報によるとほとんどが毒薬らしいけど、俺には鑑定も何もないのでわからない。まぁどちらにしろこれも売れるドロップだ。


 この辺りの階層の魔晶石の買取値段は、1つあたり600円だ。もしクソ忍者がこのドロップ全部くれたとしたら、600×1,000で60万円になるし、ドロップ売却価格を合わせたら70〜80万円になるので嬉しいところなんだけどな〜。そうすれば欲しい物も買えるし、遊ぶお金も手に入るんだけど……

 うん、期待しないでおこう。もしくれたとしても、また勝手に奨学金の返却に使われてしまいそうだし。


 先輩は今頃まだロックゴーレム相手に戦っているのかな?

 それにしてもトラと戯れる姿は可愛かった……これで5匹出したら、どれだけ喜ぶんだろうか。あぁ、早く戻りたいっ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る