赤ちゃんに優しいアメリカ人
〇 泣いている赤ちゃんに声をかけていく人が多いのです。
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私が出産したのは基地の中の病院で子育てはほぼ基地の中、そして週末は日本の町へ出かけることが多かった。
基地の中でも外でも赤ちゃん連れの私に皆親切にしてくれた。「かわいいね」と言ってもらえるだけで親は舞い上がるほど嬉しい。
ただし、日本では子供が泣きだすと少し様子が変わってくる。ちらりちらりと痛い視線を感じる。肩身が狭くなり「すいません」と慌てて授乳室やトイレに向かう。
今思えば、なんて声をかけていいのかわからなかったのかもしれない。「あらあ」と笑顔で言ってもらえるだけでも助かるのだけど、本気で迷惑なのかもしれない。というか、きっとそうなんだと思う。
電車や飛行機の中だと最悪だ。
赤ちゃんは「ここでだけは泣かないでくれー」と思う場所でこそ、空気を読んで泣く、泣きわめく。
しかし、ものすごい赤ちゃんの号泣にアメリカ人は結構優しくしてくれるのだ。必ず声をかけてくれる。しかも赤ちゃんに向かって。
ベビーカーでエビゾリで泣き始めた息子にスーツ姿の女性が近づいてきて
「どうしたの~?うんわかるわ~月曜日だもんね~あはは」とか
ガタイの良い強面のおっちゃんがのぞき込むように
「おお、お腹すいたんだな!俺も腹が減って泣きたいんだよ」と言ったり。
それはそれはバラエティーに富んだ面白いことを一言さらっと言っていく。
この一言でどれほど救われたかわからない。
声かけの後ににっこり笑ってくれたり、ウインクしてくれたりした。
特に子供が6カ月の時に短期滞在した北カリフォルニアでは毎日誰かしら声をかけてくれた。
サンフランシスコやモナクリーク、バークリーなどの北カリフォルニアの人はフレンドリーな人が多い。
(コーヒーショップで隣になった)とか、(バスで隣に座った)とか、人生の中のちょっとした瞬間に軽く会話をする文化が私は大好きだ。
ニューヨークもそうだと聞いたけれど、私の暮らしたアイダホとハワイはまた全然違う文化であった。
都会は治安が悪かったり、変な人もたくさんいるけれど、このちょっとした「声かけ」には本当に気持ちが楽になったのだった。
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