トワイライト交差点

雨咲 リリィ

雨宿り

雨は好きですか。

__________そう問うても、首を縦に降ってくれるような相手は中々いないのかもしれません。


。*.。*.。*


窓の枠に当たる雨の音だけが、煌めく筈だった星空や白い画面の機械的な明かりの代わりに、静かに私を起こしている。

誰が誰に向けたかは知り得ない、並べられた言のやいばの切っ先が刺さらないのは、いつもよりキーボードの上を滑る指が進むのは、この音のせい?_____前者はもうとっくに麻痺してるからだろ、という一行を喉元に閉じ込めて、代わりにどうでもいいやと綴って、カーテンの奥に思いを馳せている。


どうしようもないやと綴って、今のこの時間に縋っている?


まさか。


そんな訳無いさ、と自問自答を笑い飛ばし、再び並べられた言の葉に向き直る。今はスケッチブックを広げてペンを取る気分でもないし、かといって夢を見るにはまだ勿体無い。想像力を、創造力を、籠の中で羽ばたかせろ。



私が好きな世界に溺れていたい。まだ、時計の針は進んでほしくない。


さあ、ステージに上がれ_________もうとっくに気付いてるんだろ。雨音に遮られた自分には、どうしようもない幸福感が宿ってるってことに。

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