ログインボーナス54日目 カツオ
「起きてください」
そう声を掛けられ体を揺さぶられて目を覚ました。
目の前には白髪の美少女が……。
パジャマ姿が愛おしい。
そういえば昨日、おとぎ話が長引いて配達員さんを部屋に泊めたんだっけ。
スマホで時刻を確認すると午前3時だった。
このパターンは覚えがある。
そう釣りだ。
今日も以前と同じく、配達員さんが運転する車に乗り、船へ乗り換え。
そして沖へ。
今日は日の出と共に釣りをするらしい。
なので後10分ほど時間がある。
開始まで配達員さんから頂いた、おにぎりと味噌汁を飲んで待つ。
今日の竿は前回よりも太いなと思った。
そして今回、前回と違うのは俺と配達員さんの他にも乗船している人がいる事だ。
ロングヘアの蒼髪の男性? とその人と親しげに話す灰色の髪をした若い女性。
配達員さんと一瞬見違えるほどの、白髪の女性と俺と同い年と思える男性。
兎に角、賑やかであることだ。
「そろっと時間です」
配達員さんは俺の近くに来てそう言うと、波打つ青に向かって生きた餌を巻いた。
と同時に海面に銀色が現れ始める。
それと同時に周りが一斉に海へと向かって釣鉤を投げ込んだ。
またすぐさま竿をあげ、銀のミサイルの様なカツオを船に落としていくのは圧巻だった。
そして気づいた、俺だけ初心者であることに。
結局、俺が釣りあげたカツオは2本だけだった。
何となく帰りの車で落ち込んでいると「初めてで2本は凄い事ですよ」と配達員さんが慰めてくれた。
そして自身が釣り上げたカツオは持ち帰って良いと言われたので、配達員さんの分含めて4本後ろの発泡スチロールの氷箱に入っている。
因みに配達員さんは自分が食べる分以外を売却したらしい。
部屋に戻って配達員さんとカツオパーティをしたが、俺の分1本余ったので解体して冷凍保存した。
刺身に炙り、サラダにステーキ、たたきに竜田揚げ、どれも最高だった。
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