　目が覚めるとそこは自分の部屋だった。

　頬をつねってみたが痛い。ここはポーランドではないみたいだ。

　昨日までポーランドにいた事がまるで夢のように感じられる。

　配達員さんを模したぬいぐるみが机の上に置いてあった。

　朝ごはんの菜の卵焼きを作ったが少し焦がしてしまった。

　５日間のブランクという奴か。

　ほんのりと苦みがする卵焼きを食べて笑っていると、インターフォンが鳴った。

「おはようございます。体調の方は大丈夫ですか？」

「ええ、お腹に違和感とかないので大丈夫だと思います」

「それは良かったです。これ今日のログインボーナスになります」

　そう言われて渡された小袋の中には３㎜くらいの円柱が入っていた。

　初めて見るもので、何に使うのか全く分からない。

「これは？」

「フリント……燧石です。ライターとかで使うんですよ」

　俺は煙草を吸わないのでこれは無縁の物だ。

　これから使うかも分からない。

　どこかに閉まっておくことにする。

　配達員さんの帰り際、あることに気が付いた。

　彼女の耳たぶに琥珀のイヤリングが着いていた。

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