ログインボーナス34日目 アルベド
1時に目が覚めた。お腹が痛くて。
この感覚は覚えている。
あいなめを大量に食べた時に似ている。
俺はトイレに2時間ほど籠城していた。
籠城を終え、げっそりとした俺を配達員さんが心配してくれた。
「おはようございます。大丈夫ですか?」
「ええ、まあ。一応」
「今日外出控えますか?」
「いえ、ご心配なく」
「そうですか、控えめにはしましょうね」
配達員さんが諭してくる。
「それと今日のログインボーナスです」
そう言って、配達員さんは俺の手に小さなポリ袋を手渡した。
白い繊維状の物がパンパンに詰められている。
「これはあれですよね」
「そうです、蜜柑などの柑橘類を剥いた時に現れる奴です。ビタミンPが豊富なんですよ」
物凄くいらない。追い打ちをかけるように配達員さんは言葉を続けた。
「これアルベドって言うんです。知ってましたか?」
8時にホテルをチェックアウトし、ドゥーギと言う名の広場に出かけた。
沢山の露店が並び、とても賑わいをなしている。
俺は魚は控えてピエロギを食べたが、昨日は無事だった配達員さんはフィッシュスープを啜っていた。
買いたいものがあったので、配達員さんに断りを入れて、20分後に先程の店の前で合流となった。
配達員さんと合流し4時間ほどかけてワルシャワ空港へ。
プライベートジェット内で配達員さんが毛布を渡してくる。
「寝ていれば目が覚めた時は日本ですよ」
そう言われてあることを思い出した。
鞄の中を漁り紙袋を取り出す。
ドゥーギ広場の露店で購入した物である。
「配達員さんい5日間色々とありがとうございました。楽しかったです、良い思い出になりました」
「これ開けてもいいですか?」
「どうぞ」
中から琥珀で造られたイヤリングが出てきた。
「ありがとうございます。とっても嬉しいです」
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