仲良し四人組は作戦を練る


「イーゼルに来たのですから、お風呂に一緒に入りませんか、今の時間なら貸し切りに出来るでしょう」

 そういうと、アウセクリスは自らすすんでお風呂へ案内します。


「アンジェリカ……私、お風呂って入ったことがないの……いつも行水だから……どうすればいいの……」

 と、ルクレツィアが言います。

「気持ちいいわよ……でも……このままだと……アウセクリス様と一緒に入ることになるみたい……」


「それって……お風呂って裸で入るのよね……」

 と、トスカが言いますと、

「じゃあ……黒の巫女さまと……えっ!罰が当たらないの?」

 と、ルクレツィアが言いましたので、さすがにアンジェリカも笑ってしまいました。


 脱衣所は大変広く、黒の巫女アウセクリスはさっさと服を脱ぎ始めます。

「どうしたの?」

 と、アウセクリスが皆を振り返った時、上半身がプルッとあらわになっている状態……

 アルフォンシーナが鼻血を出しかけて……鼻を抑えています。


「さあさあ、脱ぎなさい、お風呂は裸の付き合い、女同士、恥ずかしくは無いでしょう……」

 などと言いますが、アルフォンシーナたちは自ら服を脱ぐのが恥ずかしくてなりません。


 黒の巫女アウセクリスは、自ら素っ裸になると皆にも裸になるように云います。

 結局、あれよあれよという間に、裸になって温泉で極楽気分のプリンセスたち……


「アンジェリカさん、良いお友達が出来ましたね」

「皆さんもアンジェリカさんと仲良くしてあげて下さいね」


 湯上りに、黒の巫女アウセクリスと裸で並んで、冷たいミルクを、腰に手を当てて飲んだりして……

 最後に『浴衣』というものをプレゼントされて、黒の巫女アウセクリスに直々に着せて貰ったのです。

 勿論、石鹸、タオル、など、とてもめずらしい物も、洗面器というものとともに頂いた四人。


 いま四人は、パリスのテッサリア王国の公館に集まっています。


「アンジェリカ……ありがとう……私……黒の巫女様と、あんなに間近で、お話いただけるなんて……」

「アウセクリス様って素晴らしい方でしょう?」

 と、アンジェリカが聞くと、

「とても美しく飾らなく気さくで……私……」

 トスカが口ごもります。


「ねぇ、いつか皆で寵妃になって、いつか私と一緒に巫女様の夫人になりません?」

「いいの?」


「いいわよ、もう私、皆といつも一緒にいたいの」

 四人は互いを見つめました。

 プリンセスの間に、チョットエロい絆が出来た瞬間でした。


「で、ルクレツィア、皆で寵妃になるために作戦を立ててよ、貴女は私たちの軍師ですから」

 四人の黄色い声が、パリスに響きました。


「そうね、作戦の前段階として、まず南北フィン産業博覧会で目立って……二人の宰相に……」

 四人は、ゴソゴソ悪知恵を出し合っています。


「それでいきましょう!さすがはルクレツィア!」


 数年後、アルフォンシーナとルクレツィアとトスカの三人は、目出度く側女になったようです。

 そうそうポリーさんも、目出度く公爵夫人に収まったようですよ。


    FIN


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