三十路プリンセス

白鳥玲子:

「おーーほほほほほほ! あなたこれで本当にいいざます? おーほほほほ」

執事の山田:

「し、白鳥さん。もうそれ死語よ。死語」

白鳥玲子:

「はあい? 死後ってわたくしは死んではございませんことよ?」

執事の山田:

「あ、あの白鳥麗子さんだっけ?」

白鳥玲子:

「なんでございます?」

執事の山田:

「いや、もうあの時代はとっくに終わってるのよ?」

白鳥玲子:

「終わっても私はプリンセスよ?」

執事の山田:

「……い、いや、だからね? 白鳥麗子さんだっけ」

白鳥玲子:

「軽々しく人の名前を呼ばないで欲しいものだわ」

執事の山田:

「ハア……」


執事の山田:

 この白鳥麗子。お嬢様だった片鱗はあるのはわかるが、もすでに年は令和。お嬢様ぶりを発揮しようと思った白鳥だろうが、彼女はもう三十路をすぎたオバハンと化して時代錯誤だと執事の山田は思った。


執事の山田:

「私今日限りでお手伝い辞めさせていただきます!」

白鳥玲子:

「あーた、それでもわたくしの僕(げぼく)なの?」

執事の山田:

「もう無理です。そのキャラは流行りませんよ? あんた唯のオバハンよね?」

白鳥玲子:

「キー! なんざますか! その口の利き方は!」

執事の山田:

「さよなら! 三十路ばばあー!」

白鳥玲子:

「意味不明よ! あーた!」

執事の山田:

 もはや、白鳥あなたの方が意味不明よと山田は思った。

 否、一番意味不明は、この小説だ。

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