世界に笑われる僕

音崎 四季

エピローグ

 何かを成すことに意義があると思うか。


 答えはNOだ。笑う事にすら嫌悪感を感じる。人との関わり方を見失った者を世間では「社会不適合者」と呼ぶ。正しく自分のことだと思う。

 中学生の頃、スクールカーストの最下位に属していた僕、真崎 奏太まさき そうたは、暴力などの執拗ないじめによって、話す事は愚か目を合わせる事すら恐怖を感じていた。

 生きる事に意味など感じて居なかったが学校には行かなければならない。

 せめて自分を知らない新しい世界で最初から始めたいと思い立ち、親の反対を押し切って高校は市内の私立高校へ受験した。

中学卒業後は地元を離れ、電車で2時間半ほどで着く市内の叔父の家に引っ越し、誰も知り合いのいない市内の高校へ入学した。


「やり直せる。」


 それだけを期待し、四月を迎えた-----

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る