ゆめるく
縁ゆかり
第1話 ゆめ、みる。ゆめ、記す。(2020.8.1大幅改正)
私は幼き頃から度々不思議な夢をみる。
その不思議な夢をみるきっかけが何だったのかは、なにぶん昔過ぎて覚えてはいないが……不思議な夢をみ初めたのが、小学校の低学年の頃の事だったと記憶している。
かつて、私の不思議な夢の始まりの夢は……私が幼き頃に住んでいた街にどこか似た、だが現実の私がよく知る街とは決定的に違う世界を、私と、私の家族と、今は亡き愛犬と散歩する夢だった。
私がよく知るその街は現代日本のそこそこ発展した街で、見慣れた、コンクリートの壁の家、四角や三角の赤や青、黄色などの屋根、少し薄くなった群青色のアスファルトの道、灰色の縁石、所々が赤錆たオレンジ色のカーブミラー、お小遣いを握り締めて何度も買い物に行った小さなパン屋さんと駄菓子屋さん。
そんな何処にでもありそうな普通の街。
そんな街。
……でも私が幼き頃に度々みた不思議な夢に出てくる街には現実にはないモノが含まれていた。
それは、遠くの空に浮かぶ、まるで前方後円墳を上から見た様な大きな鍵型の扉。
さらにその扉の周囲に浮かぶ無数の岩山。
雲がまとわりついた大きな岩。
夢の中の私、私の家族はそれがそこに存在する事に何ら疑問にも思わず、愛犬の散歩を楽しんでいた。
始めこそ何ら疑問にも思う事すら感じなかったのだけど、何度も同じ夢をみる内、急にその扉に興味を持つ様になっていった。
そんなある日。
夢の中の私は一緒に歩いていた母に扉の事を尋ねた。
すると、母も今気づいたかの様で、何故そこに扉があるのかという謎に首をかしげていた。
その夢から覚めた私は何かの予感を感じとった。
その予感は見事に的中した。
夢の中で扉の事を母に尋ねた、その日の夢に進展があった。
度々みる夢…ずっと変わらず、繰り返し繰り返して同じような夢を見続けるのだと思っていたのに、その日の夢には続きがあった。
……今でも、不思議な夢を見続けている。
……この夢に終わりはあるのだろうか。
……この夢は私に何を語りかけているのだろうか。
……この夢はいつまで続くのだろうか。
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