名のあるものへの名も無き非日常を
@joaotut
第0話 無責任な者たち
「大方そろっていますね」
「そろってはいるが」
「そうそう、そろったところでどうにかなるのですか?」
「確証はないが試す価値のある提案がある者が現れたそうだ」
「誰の提案なのです?」
「はい・・・・わたしからの提案です・・・」
「廃棄地の娘がなんでここにいるの?」
「まあまあ、その言い方ないんちゃう。提案を聞くだけでもいいとおもいますが」
「現状を打破するには猫の手も借りたい状態だからな」
「にゃんだ、私の手だったらいつでもかすにゃ!」
「あんたは黙ってろ、話が逸れる」
「で、どんな提案だ?」
「私の世界へのパスを開いて、各世界から少しエネルギーソースを送ることです」
「バカバカしい。そんなことしてもその場しのぎではないのか?」
「そうやって他の世界からつまみ食いして自分の世界のエネルギープールを増やす魂胆なのでは?」
「エネルギープールを増やしたところで私の世界は基本的に " 霊長類 " がいないのでそれほど力の成長は見込めません」
「確かに、漂流物や放浪者がたどり着きやすいお前のところの世界は " 霊長類 " の成長に適していない」
「でも、それだけだとその場しのぎにしかならないけど他に案はないのですか?」
「それだけですとそうです。なので、パスを繋いでエネルギーソースを送るついでにいくつかの世界からは " 星の導き手 " もしくはそれに準ずるモノを送っていただきたい」
「なんだって!それは世界の成長を諦めろということか!?」
「 " 星の導き手 " そのものを手放せばそうです。だから代替案を出したのです、それに準ずるものと」
「わははははは、廃棄地の娘とバカにされているようだがお主なかなかバカにできないな!」
「どういうことですか?」
「あらあら、わからないの~、おバカちゃ~ん」
「で、私の提案はいかがでしょうか?」
「では全員に問う、この提案に賛成のものは・・・・・・・・うむ、7割8割といったところか。では " 星の導き手 " もしくはそれと同等のものをうけ渡しても良いと言うものは・・・・・3名か・・・」
「まぁ、失敗しそうならそれはそれで対策を考える時間稼ぎになるからいいんじゃない?」
「そうだな・・・・では、各世界に戻り次第パスの接続とエネルギーソース送付をお願いする。3名は件の跳躍を頼む。いいな!」
「は~い」「はい」「了解した」「ハイなのじゃ」「承知している」「仕方ないな」
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・
・
・
・
「やれやれ、3名だけか。あれだけ下手に出たのに。まぁ、0じゃなかっただけ上出来かな。これでこっちの世界にまともに " 霊長類 " が根ずく土壌ができればいいけど。でもまずは " 剪定者 " の件を解決しないと全部が水の泡だけどね。
名のある者たち、ようこそ名も無き世界へ
アハハ!アハハハハハハ!!!」
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