アイデアこい!降りてこい!よっしゃー!!

HiDe

第1話 アイデア!来い!降りてこい!よっしゃー!

老婆「アイデアはいらんかね?」


青年「結構です」


老婆「そう言わずに、ホラ、時事ネタからトレンドの話題、最新情報まで何でも取り扱ってるよ~。」


青年「ほとんど時事ネタじゃないですか。」


老婆「だってお客さん、アイデアがなくて困ってるって顔してるんだもん」


青年「あのね、アイデアってのは我が身から生まれるから意味があるんです。こうして自分の部屋に閉じこもり、なるべく影響を受けずに降りてきた純粋な結晶こそが『最良のアイデア』なんです。」


老婆「ふむ、そういうものかね」


青年「そういうものです」


老婆「わかったよ。今日は退散するよ」


青年「さようなら」


青年(はぁ……誰もかれも時代の流れかまともにアイデアを生み出そうともしない。人にアイデアを頼るなんてまっぴらごめんだよ!さて、今宵もアイデアを下ろすとするか)


ピッ


青年「にゃんぱす~」







~3日後~


アイデア「やっと会えましたね。志高い青年。」


後光が眩しい。今日のアイデア様もいつもと変わらず5年前のエマワトソンのような美しいお姿だ……。これで手足の数が8本じゃなければもっとよかったんだけど……。


青年「アイデア様!もう、本当に待ちくたびれましたよ。」


アイデア「も、もっと早く来たほうがよかったですか?」


青年「そうですよ!アイデアが浮かぶまではほかの情報を入れられない!だから家にいる間は アニメ『のんのんびより』だけしか見られなかったんですよ。」


アイデア「……え?ずっとのんのんびよりだけを見ていたのですか?」


青年「はい、情報を入れないためですから」


アイデア「絶対何か身体によくないことが起きてそうですが……。たった24話しかないのに」


青年「いいえ、一期だけなので12話ですね。10周を超えたあたりから記憶がありません。」


アイデア「な、なんという執念……。こわ……。その覚悟、しかと見届けさせていただきます。」


青年「お願いします」


アイデア「……7本目の上腕二頭筋を撫でてくだコショコショ……」


青年「なんです?」


アイデア「7本目の上腕二頭筋を撫でてくださいと言ってるんです!!恥ずかしいから何度も言わせないでください!」


青年「ちょ、何怒ってるんですか。はいはい撫でればいいんですね。」


アイデア(こっちの気も知らないで……。ばか。)


青年「さすさす」


アイデア「ひゃうん!」


青年「さすさす」


アイデア「もっと素早く前後にぃ…」


青年「こうですか!!」


アイデア「そう!!そう!!あーもうやばい!!」


青年「ごりッごりッ!メメタァ!」


アイデア「あーーーーーーーーーーーーー!!!!!もう限界を超えます!!!!あーーーーーーーー!!!」


青年「超えちゃえーーーーーーー!!!!」


アイデア「なんなんですか?」


青年「こっちのセリフですよ。急にスッと真顔になるのやめてもらえますか?怖いなぁもう。」


アイデア「今のがあなたに舞い降りたアイデアです。」


青年「うーん、なんだろう今のは…。こすると感じる……のんのんびより……小中学生をこすると感じる……わかった!」


アイデア「今ので本当に大丈夫なのですか?絶対に合わせてはいけない組み合わせのような……」







老婆「で、それでできたアイデアってのは何だい?」


青年「僕は気づいてしまったんですよ。感じること、これを感度とします。そしてのんのんびよりに登場するのは小中学生!すなわち思春期=多感な時期!そこから導き出される答えは……」


青年「ズバリ!!『感度が3000倍になってしまう』だぁーーーー!!!!」


老婆「はい、『感度3000倍』お待ち。」


青年「……え?あるの?」


老婆「そりゃあるさ。インターネットってのは広いもの。」


青年「そんな馬鹿な……」


老婆「で、買わないなら帰ってもらうけど。」


青年「……」


老婆「あんた、おい」


青年「にゃんぱす~」


老婆「……駄目だねこりゃ、もう手遅れだ。」




アイデアとは、人の数だけ生まれるもの。だからこそ、独りよがりにならず、上手いことアイデアを使わせてもらう、無理をしすぎないことが今の時代には必要なのかもしれない。これはそういうお話です。本当です。

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