咲けば散りゆく運命なのです。
夢穂@みずほ
第1話
4月5日。今日は桜木高校の入学式。
今年桜木高校に入学する空木夢桜(うつぎゆら)は、桜の花が舞う通学路を歩きながら、心を踊らせていた。
この高校を一緒に受けた友達なんていない。
性格が明るい方でもない。
でも、夢桜はどうしてもこの学校に入りたい理由があった。
それは、この桜木高校の吹奏楽部に入りたかったから。
中学で元々吹奏楽だった夢桜は、毎回金賞を取ると有名なこの高校に入りたかったのだ。
正直、友達が出来るかどうかは不安だったが、それでも良かった。
桜木高校の校門に着くと、夢桜と同じ制服を着た子がたくさん歩いていた。
(ほんとうに、この学校に入れたんだ……!!)
そんな嬉しさを噛めしめつつ、1年生の昇降口へ向かう。
昇降口には夢桜と同じ新入生がクラス表の前で群がっていた。
夢桜は人の間をぬうようにしてクラス表の前まで向かう。
クラス表を見ると、夢桜は1年B組だった。
すぐに靴を履き替え、B組へ行く。
ガラガラ、と教室のドアを開けると、そこには既にたくさんのクラスメイト達がいた。
クラスメイト達は夢桜をチラッと見て、また自分の話を始めた。
(みんな友達と同じ高校にしてるもんね……)
夢桜は自分の席を確認し、席に座る。
(ここから、私の新しい学校生活が始まるんだ……!!)
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