SSSランク治癒魔法使いは、変態はいらないと勇者パーティーを追放されたので王女とハーレムを目指します。

@rowrain

第1話 変態の末路

A、B、A、C、B、A、D……

うほっ、あっちにはEクラスだと!?


鼻血を垂らしながらしまりのない顔でニヤニヤしていると、後ろから声が聞こえてくる。


「…………たい!.....................するな!」

「お……変態!宿屋..........ことするな!」

「おい、変態!宿屋で変なことするな!」


まさか、僕のことを言ってる?

まったく失敬だなぁ。僕は確かに変態だけど自分の心に素直な紳士なんだよ。


「って、ミミちゃん?今日も相変わらず可愛いねー」


ミミちゃんは僕のパーティーのリーダーで《勇者》なんだって。すごいよねー!

なでなでなで……

あぁ、この感触やっぱりいい。


「勝手に触んな!」

「ッッッッ!」


ミミちゃんの蹴りは僕の股間にジャストミート。

ミミちゃんはゴミを見るような眼で見下ろしてくる。

だが……


「残念だね、ミミちゃん。僕はMなんだ。つまり、僕にとってこれはご褒美なんだよ。」


「よかったわね。それじゃあ、ご褒美をもう一つあげるわ」


ーーえ、ちょ、流石に2連続は……


「ッッッッッッ!」


あ、連続も案外悪くないかも。

これはそろそろ上級者のドMに昇格かな。


そんなことを考えてると、ミミちゃんが急に真剣な顔になる。


「今日はアンタに話があってきたの。」


なんだろう?

この真剣な顔は。ま……まさか、愛の告白?!


確かに僕達は同じパーティーで何年もやってきた。共に窮地も乗り越えてきた。

絆も深いし、惚れてしまうのもしょうがないってもんだよ。


「アンタは強い。治癒魔法は強力だし、剣の腕まである。私たちも何度も助けられてきた。」


ミミちゃんは少し目を背け、気まずそうにしている。


ーーきたきた、この前振りは確実だよね。

さぁ、早く僕の胸に飛び込んでおいで


「だけど、あんたにはこのパーティーを抜けてもらいたいの!」

「へ?」


予想外の言葉に呆然としてしまう。


「え……えーと、照れ隠し?」

「何の照れ隠しよ?」


ーーじゃあ、本当に僕にやめて欲しいってこと?


「な……何で?告白は?そもそもこのパーティーは僕たちの愛の結晶じゃないの?」


「ま、まさか……他に男ができたとか?それなら、僕にもう一度チャンスをください!」


「告白?愛の結晶?他に男?何言ってるか分かんないけどそんなんじゃないわよ。」


「え、じゃあ何でなの?」


「アンタ本当にわからないの?」


ミミちゃんが呆れたように言う。


「変態だからよ、へ・ん・た・い」


「アンタ治癒魔法かける時もいつも『密着しないと効果が薄れる』とか言って、抱きついてくるじゃない。それに、いつもいやらしい眼でおっぱいばっかり見てるでしょ。」


「パーティーはアンタ以外みんな女の子だし嫌がってたのよ。それなのに、アンタはいつまでもやめないから……。」


ーー嘘だろ


僕が抱きつくとき、みんな笑顔だったじゃないか。一緒に冒険していても嫌な素振り一つ見せなかったのに。

そんな急に……


みんなは僕のことが嫌いだったの?仲間とは思ってなかったの?

僕はパーティーのみんなもおっぱいも大好きだったのに。


そんなの酷すぎるよ。


「う、うわぁぁぁぁぁん!」

「ちょっ、急にどこ行くのよ?」


僕は宿屋を飛び出した。

飛び出してどれくらいたったかわからないが、気づいたら夜の森にいた。


流石に疲れたので、木に腰をかける。


「これからどうしよう。」


とりあえず、今日はここで野宿することにした。

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