勝手に勇者と呼ばないで
@ray-kawasumi
ゆうしゃのものがたり
「昔々、人間を襲っては食べてしまう、それはそれは恐ろしい魔物が住んでいました」
にんげんをたべちゃうの?こわーい!
「王様が何度も兵隊を連れて退治に行きましたが、その度に返り討ちにあっていました」
えー!どうしよう!へいたいさんでもたいじできないなんて!
「そのうち誰も魔物退治に行きたがらなくなりました」
だってたべられちゃうんだもん!みんなこわいっておもっちゃうよ
「ですがそんな中でも魔物退治に名乗りを上げた青年がいました」
すごーい!みんなこわがっているのに、ゆうきあるひとなんだ!
「その青年は危険なので誰も魔物の周りに近づけないように王様にお願いをしました」
そんなことおねがいしなくても、みんなこわがってちかづかないよー
「青年は仲間を集め、魔物退治に向かいました」
ついにまものたいじだー!
「青年は信頼する仲間とともに魔物をどんどん追い詰めていきます」
すごいすごーい!
「あと一歩まで追い詰めたのですが、魔物が最後の反撃に青年に襲い掛かります」
えぇ!どうなっちゃうのどうなっちゃうの!?
「急に反撃されて動けない青年を一人の仲間が身を挺して守ります」
わぁー!かっこいい!
「その隙に青年は最後の一撃を与え、魔物を退治することができたのです」
やったー!やったー!まものをたいじしたー!
「青年を守った仲間はとても深い傷を受けてしまい動けなくなりました」
えぇ...そんなぁ...
「青年は何度も呼びかけますが、その仲間は青年の無事な姿を見ると笑顔で息を引き取りました」
うぅ...やだぁ...しんじゃったらやだぁ...
「青年はとても悲しみました。ほかの仲間も一緒に悲しみました」
ぐすっ...ぐすっ...
「その後、青年は王様に出来事をすべて話し、王様も悲しみました」
かなしいよぉ...ぐすっ...
「そのあと、青年は勇者として国を守っていくことになりました。そして、勇者を守って死んだ仲間は聖母としてあがめられ、皆の心の中で生きていくのでした。...おしまい」
ぐすっ...かなしいけど、せいぼさまとしてみんなのこころにいきているんだね
「ふふっ、リステルは人の為に悲しんであげられる心優しい子になりましたね」
おかあさまだって、やさしいひとだよ!
「ありがとう、リステル。さぁ、今日はもう寝ましょう」
...はーい。おかあさま、まだちょっぴりかなしいからなでなでして
「はいはい、甘えん坊さんね」
ひひひっ、しあわせ。
「お母様もリステルのかわいい笑顔が見れて幸せよ」
おかあさま、こんどはだれもいなくならない、かなしくないおはなしにしてね
「はいはい、わかりました。でもね、リステル」
なぁに?おかあさま
「たとえ大切な人が目の前からいなくなってしまっても、あなたが忘れない限り、ずっとあなたのそばにいるからね」
はい...リステルわすれないよ。ぜったいわすれないよ!
「わかりました」
だから!だから、おかあさまは...ひっく、いなく、ならないでね...!
「あらあら、リステル。泣いていたらかわいいお顔が台無しよ」
うわぁぁん!おかあさまぁぁぁ!いなくならないでぇぇ!うわぁぁぁぁぁん!
「よしよし、リステル。大丈夫よ、大丈夫」
「お母様は、ずーっと、あなたのそばにいますよ」
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