新たなダンジョンバトル
期末テストが終わり6月に入った最初の週末、真心はいつもの部屋でぐったりとしていた、目の前には期末テストの答案、その点数は意外も意外、悪くなかったのだ。
「真心様、どれも平均点を超えておりますね、とても素晴らしい出来です」
「ありがとうござます」
「それでは来月に行われる期末テストに向けて……」
「休み! 今日は休みです!」
「かしこまりました」
シスタのスパルタ発言を真心が顔を上げて手を振り上げ全力の拒否をする。
シスタも連続でやっても真心には無意味だろうとそれ以上は何も言わない。
真心がフェアリーから届いた果物を食べながら現在の簡単な状況をシスタから聞けば。安住城は改修は完全に終わり改築および新しく三の丸と天守を作ってるとか。
前回の城は土塁を用意し防柵にちゃちな砦とハリボテ感満載の一夜城だったが。
ケットシーの畑から取れた野菜を使いゴブリンを増員し、そのマンパワーで本格的な城塞へと変貌を遂げ始めているとか。
そのケットシーは小さな森を作り、そこにゴーレムを使って自宅を建てたとか。
「結構、好き勝手やってるのねー」
「真心様が命令すれば、いくらでも統率出来ますが」
「いいよいいよ、好き勝手に自由に遊ばせてて、楽しくやってこ」
真心は事なかれ主義という奴か、マモノを統率する気はないようで、果物を食べ終わると畳をごろごろと転がり、その感触を楽しみながらそのまま昼寝の体制に入る。
「真心様の御心のままに……真心様、他のダンジョントレーナーから通信がブックを御開きください」
「七辺君みたくダンジョンバトルのお誘いかな? ブック」
のだったが、シスタの一言でブックを開くと、一人の女性が前に同じように通信を取ってきた七辺の様に透明な液晶に移るように出てくる、黒髪を腰まで伸ばした。
実に豊かな胸をしており、怜悧な印象を持たせる凛とした女性であった。
「初めまして……ではないわね、安達真心さん」
「えっと……あ、生徒会長さんだ」
「ええ、そうよ、こうして対面するのは初めてね、
通信をしてきたのは真心の学校で生徒会長をする女性であった。
「生徒会長さんもダンジョントレーナーだったんですねー」
「凛子って呼んでくれないかしら?」
「あ、じゃあ私も真心でいいですよ、で、もしかしてダンジョンバトルを?」
「そうよ、ダンジョンバトルを申し込みに来ました、受けてくださる?」
「条件によりますね、こっちの防衛戦でいいなら」
「構わないわよ、それじゃ次は賭けの対象を選ばせて頂戴」
「はい…………癖が強いな、属性もあってるのもいるけど、ここは魔力で」
「あらそう……このフェアリーって子、小さくてかわいいわね、この子にするわ」
凛子はにこやかにそしてあっさりとそう答えるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます