勃発ダンジョンバトル

「と、こんな所ゴブ、僕達頑張ったゴブ」

「本当に頑張ったんだね~、あ、このクッキー結構美味しい」

「どんぐりを砕いて固めて焼いたんだゴブ、僕達のおやつゴブ」

「そうなんだ、そういえば、歩き茸の穴は? ここに無いみたいだけど?」

「それは別の所ゴブね、そこまで遠くじゃないゴブから後で見にいくゴブ?」

「そっか、うん、そっちの様子も見てみたいしね」


 空はゴブリンの話をゴブリンの住処の一つである竪穴式住居の中でどんぐりで作ったクッキーを齧りながら聞いていた、ちなみに下には茣蓙ござが敷かれている。

これがゴブリン達の椅子にしてベッド代わりだとか。


「そういえば真心様は一緒じゃないゴブか?」

「今、真心ちゃんはピクシーさん達の様子を」

「空様、ご歓談の最中に申し訳ございません、シスタでございます」


 竪穴式住居に瞬間移動で来たシスタが現れ、空は大層驚く。


「わきゃっ!? ど、どうしたのいきなり?」

「真心様がお呼びでございます、戦いの幕が切って落とされるやもしれません」

「戦い?」

「はい、最初にお話ししたものの一つダンジョントレーナー同士のダンジョンバトルが始まろうとしています」

「そっか、御免ねゴブリンさん、茸さんの様子を見るのはまた今度、それじゃお願いしますシスタさん」


 空がシスタの手を取ってファストトラベルしようとすると。


「待ってゴブ、僕も行くゴブ―!」


 ゴブリンも一緒についていくのであった。そうして三人が畳の部屋に飛ばれされるのだが空が尻からゴブリンは顔面からシスタだけが片膝をつき着地する。


「ふぎゃっ! いててゴブー」

「いたっ、うう、お尻うった、大丈夫ゴブリンさん?」

「急に足を掴まれると高速旅行ファストトラベルの着地が不安定になります、今後はお止めください」

「ごめんなさいゴブ」

「待ってたよ空ちゃんシスタはお疲れ様、後はゴブリンも来たのね」

「ふぅん、貧相なマモノだね、弱そうだ」


 二人の帰還を真心は待ってましたと真心は喜ぶ、そして後ろからゴブリンを見て軽視するような発言をする男の声が聞こえてきた。髪を七三に分けたいかにも優等生といった少年であった。


「うちのマモノを馬鹿にしないでくれる?」

「ああ、ごめんごめん、さてともう話を始めていいのかな?」

「うん、ダンジョンバトルだったよね」

「そうだ」

「やりたくないって言ったらやらなくてよかったりする?」

「これがランキングが自分より上の者からであれば断れるだっけマイン?」

「そうですよぉー、三治さんじちゃんも子猫ちゃんも同じランキング圏外、だから拒否権はないわよ、子猫ちゃん」

「左様でございます、真心様、覚悟をお決めいただくしか」

「みたいだね、分かった、でも負ける気はないもん」


 三治と呼ばれた少年はマインと呼ばれるとても豊満な体を際どい服に収めた女性と共に真心へダンジョンバトルを挑んできたのであった。





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