アレルギー
さて、前回は花粉症はないと書いたが、類似のアレルギーはある。
今でこそかなりましになったが、子供の頃は結構な喘息持ちだった。旅行先で体調崩してそのあたりの医者に世話になった記憶もある。
それに加えてアレルギー性鼻炎とも診断されていた。
ただ、アレルゲンが何かは知らない。
というか、子供の頃はそういう病名と認識していて、じゃあアレルゲンは? という発想自体がなかった。
筆者の推測であるが、おそらくハウスダスト。
自室はお世辞にもキレイなどとは言えないし、会社のオフィスも特殊であった。いや、一般のオフィスがどんなものか、実はよく知らないのだが、うちの会社は一般的とは言えないだろう。
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これまで当エッセイを読んでいただければわかるだろうが、弊社は環境調査会社、その中でも下請けである。
一般の会社のオフィスでは書類とか報告書とか書籍とかが詰まっていると思われる棚には……いや一応それらもあるが……新聞紙に挟まれた植物標本が大量に収まっている。
花粉や砂ぼこりも完全には取り除ききれていないのだろう。
長靴や作業服と一緒に細かい砂ぼこりも持ち込まれるのだろう。
動物の方の標本もあるが、針に刺さって箱に収められた昆虫標本とか、シカの角とかイノシシの頭骨とか、カタツムリの殻とか瓶詰の魚の液浸標本とか、植物標本と担当者を悪者扱いする気もないが、動物の方はそれほどアレルゲンは出ていないはず。
さらに、自分は現場に出なくとも、外に出ていた社員が花粉や黄砂や砂ぼこりをまとって帰ってくる。それらも完全に防ぎきれるものではない。
というわけで、社内もしくは自室で作業をしていると、たまにくしゃみが止まらなくなる。
まあ、月に数回、数分間だけのことなので、さほど悪影響はない。
現場等で野外に出ると、ほとんどくしゃみも出ないので、花粉症ではないことは確かである。
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さらに、もう一つ別のアレルギーもあるらしい。
例えば夏の暑い時期。炎天下で汗を流しながら調査を済ませ、車に帰ってきてクーラーをつける。
冷たい風を浴び、汗が引いていくにつれ、くしゃみが止まらなくなる。
これは仕事に限らず、以前から夏に外からクーラーの効いた場所に入ったり、冬に暖房の効いた室内から寒風吹きすさぶ外に出たりするとよく起こることだった。
以前はただ単に、冷たい空気で鼻の粘膜が刺激されて起こる現象だと思っていた。
ある時テレビを見ていて、この現象に『寒暖差アレルギー』という名があることを知った。
こんなものにまでアレルギーなんてあるのか、とも思ったが、同じ条件でも全くくしゃみの出ない人もいる。というか自分のような人の方が少数派なのだろう。
とはいえ、今のところどちらのアレルギーも、悪影響はまだ小さいので放置されている。
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