漂流挿話(2)

◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇



あの時、東京の雑居ビルにて蛇は言った。


『神』も『王』もおらぬと思ったが、なんと『死神』がいたにょろか。


『死神』はなぜここにいるにょろか?


なぜって『ナダの力』を発現するものがいたからだわ。と蒼井瑠香は言った。


蛇はにょろと言った。


ただそれだけ、私はそれを観に来ただけ。


『お蛇さん』あなたこそなぜここに来たのかしら?


分からぬにょろ、俺はただ ' 次元の穴 ' に落ちただけにょろよ。


落ちただけ?


そうかしら、それは誰かの意思ってことはないの?


分からぬにょろよと蛇は言った。


『死神』のその質問はその誰かの禁忌に触れたのやもしれぬ。



不意にあたりに甘い匂いがたちこめた。


そして、『死神』は消え『真っ白な蛇』はどこか異世界へ飛ばされた。



◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇


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